477 ジンギギスタン4
「それで旦那様ご相談とは、このことだったのですか」
「いや、教会の馬鹿どもがポーションを100万インチョキ、
(100万インチョキは、10万ドラ位)にすると言ってきやがった」
「100万インチョキですか、それは法外な」
「大三元帝国、今は新民主主義共和国だっけ、
あそこから輸入に頼っていた我が国は、
あそこのダンジョンが潰れたことによって、
入手が難しくなったかららしい」
「そうですね、まさか序列一位のダンジョンが、
潰れるとは夢にも思いませんでした」
「それでも、1年前の10倍、10倍だぞ、ありえんわ」
「賤族との、局地的戦は、まだ各地で続いており、
どうしてもポーションは必要なのに、教会の馬鹿どもは・・」
「やつらは、祈っているだけで、前戦に出てこないじゃないか」
「私が、王になったら、真っ先に粛清してやるわ!」
★ ☆ ★
ジンギギスタン教会本部。
「ムンフエルデネ・アマラー第二皇太子より、ポーションの注文だ」
「倉庫から、20個ばかり持ってきてくれないか」
「畏まりました司祭様」
「散々文句を言っていたが、昨年の10倍では仕方がないか」
「今年は、ダンジョン教会に依頼して、ダンマスを派遣してもらうか」
助祭が、あわてて戻ってきた。
「た、大変です、ポ、ポーションがすべて無くなりました?」
「はあ? そんな訳あるか、よし私が見に行く」
司祭が見に行くと、本当にそこはもぬけの殻だった。
「そんなばかな、掃除をするから移動したとかはないのか?」
「そのようなことは聞いておりません」
「それに、この部屋に来るまでには、二ヶ所の検閲をしなければならず、
勝手な持ち出しは、不可能なはずです」
「では、なぜ無くなったのだ?」
「私は大司教様に報告してくる」
つづく。