476 ジンギギスタン3
私の名前は、ナルマンダフ・トゥヤ、第二皇子、
ムンフエルデネ・アマラー様の筆頭執事をやっている。
今日も不機嫌な、アマラー様がご帰宅された。
「お帰りなさいませ、アマラー様」
「トゥヤ相談がある、私の部屋へこい」
「はい、畏まりましたアマラー様」
アマラーが着替えるために、部屋に入ると、
白い布で覆われた何かがあった。
「なんだこれは?」
「インチョキ神よりの贈物」
という張り紙があった。
益々怪しい。
「トゥヤ惨状しました、それでご相談とは?」
「それよりこれを見ろ、これは何だ?」
とアマラーは、白い布を指さした。
「いつの間に、このようなものが」
「危険があるやも知れません、アマラー様はお下がりを」
アマラーが部屋の外に出て待機しているころ、
トゥヤは、白い布をめくってみた。
「これは? 財宝の山々」
「どうした、トゥヤ、何かあったか?」
「いえ、アマラー様、危険はなさそうです」
アマラーが部屋に戻ってくると、眼前には、
美術品や、剣や鎧が置かれていた。
「なんだこれは?」
「ん、この剣は、王家に伝わるダモクレスの剣ではないか?」
「なぜこのようなところに?」
「これは、ひょっとしたら王家の秘宝を、盗んだ罪を、
アマラー様に着せる策略かも知れません」
「しかし、どうやってこれだけの物を運び込んだのだ?」
「特に怪しい物音もしませんでしたし、内部に密通者がいないと無理なので、
しばらくは、白い布を掛けたまま様子を見ましょう」
「そうだな、この部屋は、しばらく封印をして誰も入れなくしよう」
「畏まりました、他の者にも申し伝えておきます」
つづく。