475 ジンギギスタン2
ジンギギスタン共和国は、名ばかりの共和国で、
実際は王が専制政治をしている。
上から、王族、両族、中族、常族、賤族と5段階に別れており、
賤族においては、人権はなく、生まれながらにして奴隷と同じ扱いだ。
問題なのは、教会にも序列があり、
教皇、枢機卿、大司教、司教、司祭、助祭とあるらしく、
教皇は、王族のすぐ下、両族より上らしい。
現在は、ムンフエルデネ・ガルト2世が国王らしい、
で、長男ムンフエルデネ・プレブドルジと、
次男ムンフエルデネ・アマラーが王位継承を争っているらしい。
教会側は長男を推挙しており、
これ以上教会の力が大きくなるのを阻止するために、
各両族は次男を推挙している。
まあそんなことは、俺にとってはどうでもいいことだが、
争いの火種を一つ増やしてやることにした。
怪盗ほしいイーノの出番である。
今俺は、王城の宝物庫に来ている、
実体化していなければ、どんな宝物庫にでも侵入できる。
今回は、複製ではなく、そのまま頂くつもりだ。
「あれ? 意外としょほいな、ゴテゴテと宝石の付いた剣や、
装飾の派手な盾とか、なにこれ?」
一応美術品らしきものと宝石はあったが微妙だった、
気になったのは、魔石とポーション類がないのである。
どうやら魔石とポーション類は教会が管理しているみたいだ。
とりあえず、頂けるものはすべて頂いて、教会に向かった。
教会の宝物庫は、すぐに分かった。
「あれ? こっちの方が高そうなもの多いな、
魔石とポーション貯め込みやがって」
当然、全部頂きだ。
つづく。