472 新魔王
弱り目に祟り目とはまさにこのことだろう。
黒猫のタンゴさんより、連絡が入ってきた。
アニベロス共和国の教会が、新魔王の復活が近いので、
争っていた、アチアクロとリガンハに無期限停戦を申し入れ、
これが受諾され、また同盟が復活したそうだ。
「はあ? 魔王復活? 新魔王なにそれ?」
詳しい話が見えないので、俺は黒猫のタンゴさんのとこへ向かった。
☆ ☆ ☆
話はちょっと戻って、アニベロス共和国教会の演説。
「神よりの神託があり、勇者と相打ちになった魔王が近く復活する」
「魔王は古の秘術、輪廻転生を使い、獣人として復活する」
「アリダリアの獣人は、そのことを知っているが隠している」
「世界が魔王の恐怖に満たされる前に、対応しなければならない」
「ひとまず、人同士が争っているのはやめ、魔王対策を急がねばならない」
「幸い、神は我々を見捨てなかった、新たなる神のしもべ、
勇者タキシード・ヒーローを遣わされた」
「新たなる勇者を紹介しよう」
「今ご紹介頂いた、タキシード・ヒーローです」
「朝起きると、目の前に神が立っており」
「近く魔王が復活する、お前と仲間に神聖なる力を与えよう」
「そして邪悪なる魔王の復活をみごと阻止して見せよ」
「と言って、目の前から消え去りました」
「その時に、枕元に聖剣エクスカリパーが置かれていました」
「これが聖剣エクスカリパーです」
そう言って、新勇者は剣を抜いて見せた。
周りにいた観衆からは、
「おお、すごい聖なる波動だ、さすがは聖剣」
「なんと神々しい、これがあれば魔王も怖くない」
聴衆からは、こんな声が聞こえた、もちろん教会によるサクラだ。
こうして、アルダリアの獣人討伐が決まった。