470 怒髪天の公爵
その頃、ルガトルポ公国スボン州公爵領主、
モウラシア・ミグエルは、怒髪天で怒り狂っていた。
「なぜうちが、ヤシリギ共和国の支援をしないといけないのだ!」
ロペス・ペドロ筆頭執事が答えた。
「ヤシリギ共和国と同国は、同盟協定を結んでおり」
「今回は、致し方ないかと・・」
「まあよい、それでいかほど支援をしろと言ってきておるのだ?」
「義勇兵か献金かの、どちらかで支援をしろと言ってきております」
「義勇兵ですと500人、献金ですと10億ドラちょっとになります」
「10億ドラだと、バカも休み休み言え」
「よし義勇兵だ、じじばばを500人送り込んでやれ」
「それが、義勇兵は16歳から25歳までの男子と指定されており」
「それだけの若者が抜かれると、かなりの痛手です」
「それに、母国の為にとか言う志願兵はいないでしょうから、
死地に赴かせる訳ですから、最低で月50万ドラ位の給金は必要かと」
「それだと幾ら位掛かる?」
「安く見積もって2億5千万ドラでしょうか?」
「強制徴兵はできないのか?」
「おそらくは、逃げ出すかと、それに王家より強制徴兵は禁止、
あくまでも志願をしてきた義勇兵でお願いしたいと、
言ってきております」
「ヤシリギ共和国に立て篭もっている、賤族が3千人」
「うちの人口50万人の1%で5千人」
「ヤシリギが20万人の1%で2千人」
「合計7千人をもって、賤族と戦うつもりだと思われます」
「ヨン様に、ご出馬願うことは出来ないのか?」
「今の現段階では無理かと」
「分った、義勇兵を集める方向で動いてくれ」