046 何しに来たんだ
コンコン、ドアをノックする音が聞こえた。
「どうぞ、空いてますよ」
「失礼します、あれ何かいい匂いが・・」
「コーヒーを飲んでいたんですよ」
「コーヒーですか、そんな高価な物を・・」
ちなみに、コーヒーはもこの星にもある、
ただ赤道の近辺でしか栽培できない、
転移装置で、取り寄せれば可能かもしれないが、
魔石に見合う物ではなく、高価になってしまう。
「いえ、全然食事に、いらっしゃらないので心配になって・・」
「あれ、机に乗っているそれは何んですか?」
あ、しまった、食べようとして出した、スライスソーセージ&チーズ・フォカッチャと、
ハーブバターチキン・石窯フィローネが見つかってしまった。
「ああこれ、この間外に出た時に、買ってきたんだ」
「そ、そうなんですか、美味しそうですね」
やばい、美味しそうですねは、女性にとって、私も食べてみたいですの同義語だ。
案の定、サンドイッチを穴が空くほど凝視している。
まあ、これから俺がやろうとしている事からしたら問題ないか。
「まだ有りますから、お一ついかがですか?」
「え、いいんですか?」
彼女は、サンドイッチを受け取ると、一目散に消えていった。
いったい彼女は何をしにきたんだ?
あ、そうだ、そろそろセルゲイさんにも、お土産もって行かないと。