468 ダチョウシート
王家から勅命は下ったが、具体的な数字は、
相当もめているようで、決まってはいなかった。
俺は、前回やり残したことをしに地球に来ている。
前回は、食い意地がはっているせいか、
食い物ばかりを仕入れてきて、秋・冬物の仕込を忘れた。
今回は、ちゃんとユ○クロの秋・冬物も仕入れたし、
何故だか、赤身の美味いと評判の都萬牛や、
脂がさらっとして融点の低い但馬玄も、
入手することができた。
あまりに美味そうな物が手に入ったので、
実体化しなければ、腹は減らないのだが、
なんとなく食事をしたくなったので実体化した。
幸い、お馬さんたちから貰った金もまだある。
高級寿司店でもいいのだが、一見さんお断り、
みたいなとこもあり、入りずらい。
まあ、最近は回転寿司もレベルが上がって、結構美味しい。
とある回転寿司のチェーンに行って、変わった物を見た。
「当店は、ダチョウシートにより、コロナ感染を、
毎日チェックしております、安心してお召し上がりください」
はあ? ダチョウシートて何? 久々に地球に帰ってみると、
そんなものが流行っているのか?
「店員さん、ダチョウシートて何?」
「ダチョウシートは、正確にはダチョウ抗体担持フィルターて、
言うらしいんですよ」
「このダチョウ抗体て言うのが曲者で、このシートに染み込ませた、
ダチョウ抗体にスマートフォンのLED光を当てると、
ウィルスの可視化が出来るんですよ」
「つまり、店内の中の空気がウィルスで汚染されていた場合、
このシートにウィルスが貼り付いて、蛍光抗体法とかいうので、
判るという仕組みらしいです」
「京都府立大学 学長が作ったらしく、
産学官連携推進功労賞も獲っていますよ」
ふーん、そうなのか、100%安全とは言えないだろうけど、
どこかの評論家や店舗が、マスクをしてなくても感染する科学的根拠はない、
とか言っているよりかは、ましか。
まあ、いずれにしろ早く収束をすることを望もう。