455 料理人ジョエル3
私は、ジョエル、今日は旦那様たちと一緒に、
とんかつ屋とかいう所に来ている。
なんでも豚を揚げる?料理らしい。
今日は、特別提供中らしく、
料金は通常の半額らしい。
相変わらず、どの店も注文してから出てくるのが早い、
牡蠣フライの時と同じく、茶色い衣を纏っていた。
これも牡蠣フライの時と同じく茶色いタレを掛けて、
食べるみたいだ。
出された肉は結構分厚く、噛み切れるのかと思ったら、
ちゃんと、ナイフとフォークが用意された。
これで切って食べるのか。
「うお、なんだこれは? 柔らかく肉の旨みが溢れてくる」
「事前にあらかじめ切られており、
フォークは要らないんじゃないか?」
旦那様が、声を掛けてきた。
「うむ、これも美味いな、ここでは外れがないな」
「ところで、ジョアン、前に食べた居酒屋のお品書きで、
うちでも簡単に作れそうなのはあったか?」
「はい、枝豆、やきとり、ポテトフライは、材料が検討つきますので、
なんとか作る事は出来るかと思います」
「このとんかつとか言うのはどうだ?」
「これも、材料は検討がつきますが、何故こんなに柔らかいのか、
そしてこの黒いタレに入っている多量の香辛料も、
うちでは再現不可能かと・・」
「わたくしは、あのデザートとか言う甘味を再現して欲しいですわ」
「あれが、我が領地で再現できれば、繁栄間違い無しですわ」
「しかたがない、例の盗賊の礼もあるし、頭を下げて頼むか」
「でもあいつ、結構ひねくれ者だからなあ・・」
つづく。