451 逆玉の輿2
私ジョアン・マリオは諦めの悪い男だ。
まだ機会はある、武闘も魔法も駄目だが、
容姿には自信がある、タチアナ姫を絶対に口説いてみせる。
その頃タチアナ姫は、超不機嫌だった、
理由は何人もの下級貴族が我こそはと言い寄って来たので、
かなりうんざりしている。
中でもひどかったのが、お帰りくださいと言ったら、
「南国の田舎貴族が付け上がるなよ」と言われて、
切れる一歩手前だった。
店から出たタチアナ姫は、待ち合わせのギルドに、
向かおうとしたら、また声を掛けられた。
「おお、なんてお美しい」
「まるで女神様のようだ」
「ご挨拶が遅れました」
「私ジョアン・フェルナンデス準男爵の次男、
ジョアン・マリオと申します」
「タチアナ姫よろしければ、お話などいかがかと」
タチアナ姫は、めんどくさいので、無視をして、
スタスタとギルドに向かって歩き始めた。
ジョアンも諦めまいと、一緒にギルド前まで付いて来た。
ギルド前に着くと、ガエウ侯爵とラザロウ姫がもういた。
「あれ、そいつ私を間違えてナンパしたやつじゃねえか」
「え、そうなの?」「さっきから横で」
「私はあの他のためなら死ねます」
「命を掛けて、あなたを守り通して見せます」
「とか煩いのよ」
「星野さんはまだ来てないみたいだから、待ちますか」
★ ☆ ★
「獲物が揃ったようだな、この王都で子供連れで、
護衛も付けないとは、バカだな」
つづく。