449 料理人ジョエル2
「これは?」
「日本酒と言って、この牡蠣に合わせる為に、
造られた、専門の酒だそうだ」
「あ、紙に説明が気がありますね」
「今代司酒造 IMA 牡蠣のための日本酒、
はあ? ちょっと意味不明だなあ」
「わたくしは、これ好きですわ」
「どうだ、この牡蠣フライの秘密は分るか?」
「この牡蠣フライは、味が濃厚なので、陸に近いところで取れた、
牡蠣だと思われます」
「さらにこの衣は、パン屑を細かくしたものをまぶして、
多目の油で焼いたものと思われます」
「どうだ、うちの領地でも作ることは可能か?」
「作る事は可能だとは思いますが、
これ、すごく簡単なように見えて手間がかかっています」
「それに、この値段ですが、3個で600ドラって、
絶対うちでは無理です」
「うちのこの程度の大きさの牡蠣の仕入れは、
1個で約600ドラしますから」
「原価だけで1800ドラ、利益も含めたら、
3000ドラ以上は貰わないと採算が取れません」
「そうか、ここにはまだ色々な料理があるから、
うちで再現できそうな料理を探してみよう」
こうして、ガエウ一行は、居酒屋の料理を、
片っ端から注文していくのであった。
なんなんだここは、どの料理も美味く、
しかも値段が、凄く安い、王都の1/5位か?
高価な調味料も、惜しげもなく使っているし、
中には想像もつかない、調味料もある。
しかも、注文をしてからすぐ出てくるし、
料理は温かい、どうやったら可能なのか、
私の想像の範疇を遥かに超えている。
恐るべし、セブンスター。