447 秋の試食会
今俺は、喫茶で出す予定の秋のスイーツの新作の、
試食会を、ステーキハウスでお嬢様とお友達で行っている。
モンブランを筆頭に梨のカスタードタルト、
桃のパンナコッタなど、秋の果物を使った物を揃えた。
どれもこれもが、好評だった、そりゃこの星にない、
果物を使った物も多種あるからね。
俺は、タチアナお嬢様に、なんで領主が、
インブラの宿屋の許可を出したのか尋ねてみた。
「ああ、あれね、宿屋の売り上げを、すべてこっちにくれるのと、
自領で風呂の良さを知ってもらいたいからだと言っていたみたい」
小さな宿の売り上げなど、たかが知れているのに・・、
しかしあいつ、貴族というより商人みたいだな、
将来のことを、ちゃんと考えているようだ。
しかし、良く考えると日本て特殊な国だなあ、
四季に合わせてケーキとかビールとか出すし、
他の諸外国じゃ考えられない。
秋のスイーツ試食会をお開きにすると、
丁度、ガエウがやって来た。
「あら、あなた甘くて美味しそうな匂いがしますわ」
う、あぶなかった、甘味は皆で完食してくれたけど、
匂いまでは消せなかった。
「それで、何か御用ですか、こちらも忙しいので・・」
「ああ、挨拶だけでもしておこうと思ってな」
「ガエウ家で料理人をやっております、ジョエルと申します」
「以後お見知りおきを!」
ガエウのやつ、昨日の今日で準備良過ぎ、
まあお手並み拝見と参りますか。
つづく。