042 惑星キョウへ帰還
ちょっと稼ぎすぎた俺は、惑星キョウへの帰還を決めた。
こっちに戻ってこれたのも、
セルゲイさんのおかげだからなあ、おみやげでも買って帰るか。
ロシアでは、まだ顔も売れていないし、ロシア語も、
例の黒いスマホをインストールしたおかげで、話すことができるだろう。
ロシアの人気のないところで、実体化した俺は、
ロシア人と「何かいいおみやげはないか」と話してみた。
ちゃんとロシア語は通じたようだ。
「ああ、それだったら、イズマイロフ市場にあるお土産ショップ、
Vernissageがいいと思うよ」
「マトリョーシカが有名だから、あげる相手が酒飲めるなら、マトリョーシカのウォッカもいいね」
「あとは、インスタントボルシチかな、ともかく値段が安いんだ」
意外と親切なロシア人のおっちゃんに、お礼を言い、
日本のお金だと、千円をチップとして渡したら、大喜びされた。
ロシアでは、日本のお金は基本使えない、
前情報をもっていた俺は、事前に成田で両替をしておいた。
あまり多額を両替しなかったこともあり、目ざといものだけを少数購入した。
実は、このとき、普通の人では考えられないような、ズルをした。
パーティクルコピーにより、店ごとコピーしたのである。
チートもチート、超チートである。
無限のマナを持っている、俺にしか、たぶんできないと思う。
「さあ、マーキングもしたし、戻るとするか」