418 南蛮国2
実は、中華料理の初日と2日目では、少し中身を替えている。
前菜と点心は同じだが、湯、主菜、主食は、
すべて替えてある。
しかし、水着大会も終ったんだから、早く帰って欲しいんだが・・。
ドラゴンのロンは自分のダンジョンがあるので帰るみたいだが、
カエウ侯爵一家と、南蛮の優孟使節団は帰ろうとしない。
特に優孟使節団は、貴重な珈琲を融通してやるので、
それなりの融資をしろと、かなり強気だ。
仕方がないので、うちのホテルのブレンド珈琲を飲ませることにした。
うちの珈琲は、タンザニア産、キリマンジャロ、(中煎り)70%と、
エチオピア産、イルガチェフェ(中煎り)30%だ。
かなり美味しい方の珈琲だと思う。
もし、それでも駄目なら、1.3秒間豆を蒸らしたのち、
89℃のお湯で入れる「グラン クリュ カフェ」を出してやるか。
優孟使節団に、モーニングバイキングを食べさせながら、
ブレンド珈琲を出してやった。
「な、なんだこんな珈琲があるのか?」
分ったら、早く帰ってくれ。
「この珈琲はどこから仕入れている」
「うちにも、この仕入先を教えろ」
はあ? 何でこいつに仕入先を教えなければならんのだ。
セバスチャンが「極秘情報なので明かすことは出来ません」と断った。
「この珈琲は、それなりに美味いが、苦味が足りん」
「うちの、珈琲と合わせれば、もっと美味くなる」
それは、あんたが苦い珈琲を飲み慣れているのでそう思うだけでしょ。
結局は話は平行線をたどり、珈琲豆の融通はしなくて結構、
その代わり、融資もしないでお帰り願うこととなった。
手ぶらで帰すのも、あれなので、カルーア・コーヒー・リキュールを、
プレゼントしてやることにした。