417 南蛮国
やっぱりというか、予想通りというか、
呼ばれてもいないのに、ロンとかヨンとか、
さらにはガエウ一家も帰ろうとはしない。
ホテルの半分を空けといて正解だった。
今後も、どこそかの貴族が噂を聞いて来るだろう。
そう思っていたら、やっぱり来た。
南蛮国の大使で、優孟とかいうそうだ。
言語は、大三元語で、場所は、
ファン・ゴンの南に位置するそうだ。
今回来訪したのは、まず友好を結び、
支援をして欲しいとのことだった。
「はあ? いきなり支援かよ」
こうゆうめんどくさいのを処理するために、
うちの領主はいるのだ、当然丸投げしてやった。
一応、領主に聞いたら、形だけとはいえ、
国交は結んでいるみたいだ。
友好の品として、たった1kg位の珈琲を持ってきた、
匂いからすると、ロブスタ種のようだ。
地球上においては、ロブスタ種は苦味が強く、
コクと香りのアラビカ種より人気がない。
その分、栽培がアラビカ種より簡単で、病気にも強い。
領主に丸投げしてやって、やれやれと思ったら、
リタ女将に、今晩の宿泊と料理を、
用意してやってくれと要望したみたいだ。
なんでも、こんなに繁栄しているとは思わなかったそうで、
宿くらいあるだろうと、思っていたみたいだ。
わざわざこんなことを、リタ女将を通じて俺に言ってきたのは、
融資が絡んでくるので、俺を一枚噛ませたいとの領主の思惑が見え見えだ。
とりあえず、リタ女将には、宿の手配と、
ホテルの方のディナーバイキングで対応したらと言っておいた。
つづく。




