406 お買い物
四暗刻一行は、難民舎を探したらすぐ見つかった。
へんな地方の宿屋よりも綺麗で、しかも無料だという。
とりあえず、町の散策と、万が一の逃走経路を確保することにした、
マスターを殺した場合、航路が使えなくなるからである。
正直南国に、こんな立派な建物と、人がいっぱいいるとは思わなかった。
「おいおい、結構人多いな、それに薄汚れた奴がいねえ」
「そうね、ちょっと変わった服を着ているわね」
「あそこで、人だかりがしているから、何かしら?」
四暗刻一行は、スーパーに並んでいる行列に尋ねてみた。
「這是?」
「はあ? なに言ってるか分らんよ?」
丁度聞いた相手の、後ろに並んでいた子供が、
「超級市場」と答えてくれた。以下大三元語。
「ここのお店で、珍しい物や、美味しい物が、たくさん売っているの」
「1人で、最大10点までしか買えないから、何度も並んでいるの」
とりあえず、どんなものが売っているのか興味があったので、
並んでみることにした。
そこそこ、並んではいたが、回転が早いらしく、すぐ入れた。
中に入ると、見たこともない、生の野菜、果物、肉、魚が並んでいた。
「なにここ?」「外は、暑かったが中は涼しいな」
一行は、酒の試飲で飲ませてもらった葡萄酒が気に入り、
葡萄酒と、店員が提示した、つまみらしき物を買うことにした。
お会計は、人が並んでいるところでおこなうらしい。
店員に、籠ごと商品を渡すと、商品をガラスの板にかざした、
音がすると同時に、金額が表示された。
魔導具か、すごいなここは。