396 インブラ郡
俺とガエウ・シルバ侯爵は、インブラ郡に来た。
とりあえず、王都に接した左上あたりに、
インブラ郡はあるそうなので、ガエウを連れて、
適当に転移をした。
「この辺が、インブラ郡だと思うのですが合ってます?」
「おお、ここが我が領地だ、あそこに見えるのが、
我が領地最大の町、インブラだ」
「こんなに、町の近くに転送できるとは、びっくりだ」
「町の中でもよかったんですが、それだと、
町の人をびっくりさせてしまうので・・」
「まあよい、我が屋敷も町の中に在るので、案内しよう」
城門の所まで行くと、衛兵がびっくりしている。
「あれ、領主様、今お戻りで」
「うむ、野暮用でちょっと外に出ておった」
「特に変わったことはなかったか?」
「特にこれといった事はございませんでした」
インブラは城郭都市だ、かつて元のヤシリギ国が、
攻めて来た時のなごりで、町に城壁が廻らされている。
うーん、これだと城壁の中に、寄宿舎を作るのは無理だな。
なんだかんだで、領主邸につくと、青年が出迎えてくれた。
「父上、お戻りですか」
「うむ、今戻った、変わりはないか?」
「はい、特にはございません、今母上をお呼びしてきます」
「それには及ばん、今どこにいる?」
「それでしたら、食堂の方にいるかと、
料理長とドラゴン夏祭りの相談をしています」
俺たちが、食堂に向かうと、料理長と奥方がいた。
つづく。




