389 公爵の憂鬱
私の名は、モウラシア・ミグエル公爵、
ルガトルポ公国スボン州の領主をやっている。
この度は、跡取りがいないと養子を貰わないと、
モウラシア家が存続できないので、
田舎の貧乏男爵から嫁を貰った。
その嫁が、無事懐妊をしてくれた。
ロペス・ペドロ筆頭執事が、祝辞を述べている。
「この度は、カラダ女公爵の爵位認定と、
ご懐妊、おめでとうございます」
前の公爵夫人は、平民上がりだったので、
爵位は貰えなかったのだ。
「うむ、これで我が家も安泰だな、男子が生まれれは良し、
万が一女子の場合は、婿を貰うとするか」
「ところで、あの生意気なほしいーのとか言う、
セブンスターダンジョンのマスターはどうなっている?」
「はあ、恩をあだで返すようなやつは知らんと、
無視を決め込んでおります」
「恩とな?」
「向こうでは、急遽用意した上級ポーションとか、
前公爵夫人の処理で迷惑を被ったのだから、それなりの謝礼位しろと」
「何を馬鹿なことを言っておる、わしが頭を下げろと?」
「馬鹿も休み休み言え」
「おおそうだ、大三元帝国でやったあれ、あれをやるか」
「あれと申しますと?」
「じいさん、ばあさんを近隣に押し付けた奴だ」
「あれを押し付けられた、近隣は相当苦労したみたいだからな」
「セブンのマスターが苦労する姿が目に浮かぶわい」
「恐れながら、それはお止めになった方が良いかと・・」
「ならぬ、我が命令に背くとな」
「分りました、仰せに従います」
つづく。




