382 子供たちの夏休み2
今日は、子供たちに服を支給する日だ。
もうタチバナ学園も生徒数が200人を超えて、
結構な大所帯だ。
午後からは、各領地から仕入れに来る馬車が一杯くるので、
午前中だけ、低学年と高学年に分けて2回ての支給会だ。
学園の寄宿舎からは、約2km離れているので、
前回同様俺が届けことになっている。
まあ、これで、寒くなるまでは一応大丈夫だろう。
問題は、ナウル島化しないかどうかである。
ナウルは、地球のオーストラリアとハワイの間、
太平洋の南西部にあり。
国連加盟国で、世界で3番目に小さな島国で、
面積は品川区とほぼ同じしかない。
しかし、豊富なリン鉱石によって、膨大な収入を得て、
一時は、衣食住が無料で提供されており、
ナウル国民が総ニート化してしまった。
今、うちのセブンスターダンジョンにいる、子供たちも、
衣食住が無料で提供されており、ナウル島化の心配がある。
人間という者は不思議で、明日の飲み水にも困る貧困から、
一転して贅沢な生活をし始めると、過去を忘れて、
今の贅沢な生活が当然と思うようになる。
今はまだ大丈夫だろうが、そのうちブラックホールを壊した、
極悪人として、宇宙治安連盟から指名手配され。
この星から逃げないと、いけないかもしれない。
「働かざる者食うべからず」が俺の信念だから、
あまり甘やかし過ぎてもいけない。
そうならないためにも、俺はがんばらないといけないのだ。




