369 カレーライス
食堂で、待っていると、バリビューンが、
お盆に乗せてなにやら運んできた。
「はい、これがカツカレーライスです」
「付け合せに野菜とラッシーという飲み物です」
カレーという物からは、結構スパイシーな匂いがする。
「どんなのがお好みか分らないので、
よくロンさんが食べているやつにしてみました」
「ん、ロンは、ここに良く来るのか?」
「最近は良く来ますね」
「まあいい、それでは、いただかせて貰おう」
何だこれは、ちょっと辛いが美味い、これは香辛料の汁か?
こんなに多量の香辛料を使うとは、なんと贅沢な、幾らかかっているんだ。
この薄茶色の衣を纏った肉も柔らかく、しかも美味い、
白い粒々の雑穀みたいのは、始めてみるが、一緒に食べると美味い。
「どうですか、結構美味しいでしょ」
「これは、結構どころではない、絶品の美味さだ!」
「こっちの、刻んだ野菜も新鮮でうまいし、
この飲み物も初めて飲むが美味い」
「失礼を承知で聞くが、どうしてこんな山の中で、
多量の食材を集められるのだ」
「ふふふ、それは秘密です、あまり広まってしまうと、
星野さんから怒られますから」
「星野とか言うと、あの南国にダンジョンを作ったやつか?」
「あら、良くご存知で」
「ダンジョン仲間では、結構名が売れてきているからな」
「調理法を聞こうと思ったが、教えては貰えまい」
「ただ、ここに来れば、またこれを食べることは可能か?」
「ほぼ可能ですけど、調理法は、私も分らないんですよ」
「そうか、馳走になった、幾らだ」
「代金は結構ですよ、他のみんなもタダで食べていますし」
「これがタダとな?」「また近いうちに来させて貰おう」
こうして、キン・ミートは、自分のダンジョンに帰って行った。




