336 諜報員2
俺が大三元帝国首都に着くと、最初は禁衛府の方が優勢だったが、
守りを固められ、籠城戦になり攻めあぐねているみたいだった。
俺は、元々禁衛府禁軍諜報部だから、戻ってきたのを伝えるのと、
近衛府攻略の方法を上申した。
攻めあぐねていたので、上申はすんなり通った。
「みていろよ、近衛府のやつら、一泡吹かさせてやる」
一応俺が、持ってきた魔法銃は最大射程が100M位ある、
もちろん目標に当てようとすれば、40M位なのだが、
別に目標に当てる必要は無い。
目標の近くに落ちて、炸裂してくれればいい。
後は効果があるように、風上から打てばいい、
幸い礫は一杯持ってきた。
風使いの魔導士もいるだろうが、こいつは簡単には匂いが取れない、
昼夜問わず打ち込んでやれば、きっと降伏するだろう。
★ ★ ★
近衛府詰め所。
「禁衛府の攻撃も、ここのところ散発になってきましたな」
「そろそろ、向こうはたまが切れてきたのではないですか?」
そこへ、何かの音と共にすごく臭い匂いが襲ってきた。
「なんだこの臭い匂いは、風使いの魔導士で匂いを消せ」
風使いの魔導士たちは、総動員で風を起こし匂いを飛ばした。
「うーん、まだ臭い、いったいなんだったのだ?」
そこへ、またも何かの音と共にすごく臭い匂いが襲ってきた。
「また匂いがきた、どうなっているんだ? 敵の攻撃か?」
物見からの報告だと、何か長い棒みたいなものを持った男が、
城壁近くをチョロチョロしているらしいです。
つづく。




