310 コスタ・ベンの憂鬱
私の名は、コスタ・ベン、スボンのダンジョンマスターをしている。
自分の実力もよくわかっているつもりだ、
マナの多少集まりのいい場所は、たえず戦闘がおこなわれている。
正直そんなところに、ダンジョンを作ったら、
一生懸命、働かなくてはいけない。
そこで、ドラゴンの庇護下にあるこの地を選んだ。
実際それは、正解であった、領主の公爵は穏便な方で、
私との相性もよく、うまくいっていた。
ところが、流行り病により、公爵と長男が死に、
次男であった、モウラシア・ミグエルが跡を継いだ。
ところが、この跡取りがあまり優秀でなく、
頭も弱い、だからあんな托卵女子に騙されるのだ。
執事のロペス・ペドロがいなければ、
この国はとっくに潰れていただろう。
欲しいものがあると、すぐ手に入れようとするし、
そのくせに手に入らないと、駄々を捏ねる、まるで子供だ。
今日も、ダンレンジを早く仕入れろ、
セブンスターダンジョンのマスターに催促しろと煩い。
上級ポーションを、5個緊急で用立てて貰ったのにも係わらず、
全然支払いをしようとしない、これじゃ貸してもらえるはずも無い。
しかし、あの星野とかいう、若造はなんなのだ?
上級ポーションも作れるし、衣類、雑貨までマナで作っているらしい、
南国で、そんなにマナがあるわけが無い、摩訶不思議だ。
ロン様から、仲良くしておいた方が得と言われたが、
まったくその通りだと思う。
そうだあいつ、ロン様のダンジョンの魔法陣と紐付けをしているみたいだから、
今度、うちも紐付けを頼んでみよう。




