272 ダンレンジ
おかしい、俺は世界最強のはずだ、いや宇宙最強のはずだ。
本来なら、美少女がいっぱいいて、ハーレム状態のはずだ。
ところが、現実は、おねだり大好きなおば・・おねいさんとか、
ムキムキまっちょなモンスターがそばにいて、ハーレム状態だ。
なんか違う? 連絡一つにしても、
「あなたを一目見たときから、運命を感じました」とかのラブレターは皆無だ。
その代わり、ダンレンジをぜひ貸してくれ、オラオラとかの連絡は来る。
どこでボタンの掛け間違えをしてしまったのだろうか?
まあ時間はある、そのうち「あなたをお慕いしておりました」とかの、
超絶美少女が、きっと現れるだろう? きっとそうに違いない!!
物思いに耽っていると、領主が現実に連れ戻しやがった。
「王家と公爵のダンレンジ貸し出し要請はどうするのだ」
そう、モルゴンで大々的にダンレンジを披露してしまったから、
各諸侯やらが、我も我もと貸し出しを希望してきたのである。
しかも誰一人、いくらで貸して欲しいとは言ってきていない、
つまり、タダで貸せやコラの完全に上から目線である。
困っている人民のためなら考えないこともないが、
ふんぞり返っている貴族のために貸し出すのはいやだ!
そうだいいことを考えたぞ、ダンレンジを俺の直紐付けではなく、
魔改造してやって、魔石バージョンにしてやればいいんだ。
でも弁当作るのに、魔石を溶かすのか?
低レベルの魔石だとあっという間に溶けると思うがいいのか?
「わかりました、特別に魔石バージョンのダンレンジを作りましょう」
「それを王家と公爵に貸し出しましょう」
「貸出料は、領主様の方で決めてください」
まあそのうちも俺の直紐付けバージョンもばれるだろうが、
その時はその時だ。