260 聖職者
おいらの名前は、フェレイラ・アルトゥル、ここでの生活がとても気に入っている。
でも、あと2週間で、職を探さないと、この町を出て行かなければならない、
難民を収容している、この建物の長においらは、直談判した。
「膝と腰が痛くて、とても仕事が出来ません!」
そこへ、運悪く同室の男が、声をかけてきた。
「あれえ? おめえ、この間風呂入ったら、
膝と腰、良くなったわ、とか言ってなかったっけ?」
こらこら、ブラックジャックで負けつづきだからって、
そんなこと言わなくていいんだよ。
この難民センターには、数々の遊具がある、
トランプとかいうのもその一つで、遊び方も教えてもらった。
おいらは、昔王都で、これと似たようなもので遊んでいたことがあり、
その欠点も良く知っている。
実は、同室のやつには判らないように、絵札だけ少し端を削ってある、
いわゆるインチキである。
難民長から、「それは本当なのか? そうなら働いてもらわねば」
「もちろん、そんなことは、神に誓ってありません」
「神って、どの神だ、この町神様いないぞ」
そういえば、なんとか信者みたいな人いないな・・・、
頭の中に悪魔の囁きが聞こえた、それならばお前が教祖になればいいじゃん。
そういえば、ブラックジャックで負けつづきの男も、
「お前には、神様が憑いているんじゃないか」とか言っていたな。
よし、駄目元で、布教活動をやってみよう、
うまく教祖様と持ち上げられれば、最高の生活が待っている。