250 州広大飯店
俺は、さっそく州広大飯店を探した、結構都市の中心部にあり、大店だ。
俺は、人気のないところで実体化し、州広大飯店の中を見ようとしたら、
店員から、声をかけられてしまった。
「おい、そこの怪しげなやつ、どこから来た」
「いやあ、知り合いから州広には、州広大飯店という良い店があるから、
一度寄ってみると良いと言われたので、ちょっと覗いて見ただけです」
「ん、誰かの紹介か、名前を言ってみろ」
「凌暁雨ていう、女性の方なんですけど、駄目なようなら出直してきます」
「そんなやつ知らんな、貴族とかではないのか?」
その時、そばにいた大柄な男がこちらに近づいてきた。
「君、女性の名前をもう一度言ってくれるかな」
「凌暁雨ですけど」
「君、悪いがちょっと奥まで来てくれるかな」
先ほどの店員が、頭を下げている、どうやらここの主人らしい。
俺は、奥にある部屋に通され、椅子を勧められ、主人は手で人払いをした。
「それで、その名をどこで聞いたのかな?」
「それより、あなたがここの主人で間違いはないのか?」
「・・・」
「まあ、いい、当の本人を連れてくれば、問題はないはずだ」
「本人を連れてくる? どうやって?」
「実は、俺はダンジョンマスターなんだ、魔法陣を空き地に張って、そこへ移動してもらう」
「ダンジョンマスターだと? それで凌暁雨を知っているのか」
「モルゴンのダンジョンマスターの名前は知っているか?」
「クンリョウだろ、あいつこの間、うちのダンジョンで飯を食っていったぞ」
「どうやら、本物のようだ、魔法陣は倉庫みたいな場所でも張れるか?」
「可能だと思う」
つづく。