243 モウラシア・ネト
その後も、元モウラシア・ネト親子は、我がままいい放題だった。
難民センターでも、やれ個室にしろとか、
金は払うからもっといい宿はないかとか、
とにかく煩かった、自分の置かれている立場が全くわかっていない。
ある冒険者が、週20万ドラ、月60万ドラでどうだと言ったら、
「あなたたちの級はどれ位」なのかを聞いてきて、
「ソルジャー級」だといったら、高いと値切られた。
結局話は、示談になった。
そうこうするうちに、刺客がセブンスターに到着した。
色々と聞き込みをしているうちに、モウラシア・ネト親子は逃げた。
それもこともあろうか、街道の方ではなく、反対のホテルの方に逃げた、
逃げたことに、気づいた刺客、ジョタ・ディオゴたちは、その後を追ったが、
ホテルの中に入り込まれてしまった。
丁度ホテルのロビーの掃除をしていた、メイドの1人が捕まってしまった、
どこから出したんだか、小型ナイフを持っている。
刺客、ジョタ・ディオゴたちは、そのまま殴りかかってもいいが、
どうみても、有力貴族のメイドだし、部屋は王都よりも立派だ、
こんなところで、刃傷沙汰を起こしては、男爵の名に傷が付く。
とりあえず、ジョタ・ディオゴたちは、交渉をしてみることにした。
「そこのメイドを放せ、条件があるなら条件を聞こう」
「条件は、まずあなたたちは、この部屋から出て行って、
そして逃走用に馬車を用意しなさい」
ロビーの喧騒に、領主たちも上から降りてきた。
俺、面倒なの嫌いだけど、しょうがないな。
「頭が高い!控えおろう!」
突然メイドから手をはなし、土下座を始めたネトに対して、
ジョタ・ディオゴたちも、子供のラファも驚いた。
「なんだ、突然しゃがみ込んで頭を下げ出したぞ?」
「悪魔召還の儀式か何かか?」
「とりあず、取り押さえろ!」
こうして、モウラシア元公爵夫人たちは、ジョタ・ディオゴたちに捕まった。
領主が、ここでの殺生は止めて欲しいと言ったので、
表に引きずり出され、人気のないところで処分されたみたいだ。
その後、ジョタ・ディオゴたちは戻ってきて、領主にお礼を言っていた、
あれ、俺にはお礼はなしかい・・・。
機嫌を良くした領主は、今日は泊まっていかれるがいいとか言い出し、
また俺が接待をするはめになった。
まあ、仇を取れたんだから、料理と酒くらい出してやろう。
もちろん、大好評だった。