242 刺客
私の名は、ジョタ・ディオゴ、元サントス騎士団の団長だった。
年をとったので、後進に後を譲り身を引いた。
それから数日後、領主サントス・フェルカンド様より、
お嬢様ルイス様の訃報を聞いた。
お嬢様は大変お優しく、人民からも慕われており、なお美人だった、
そこで、豚公爵の目に留まり、豚公爵の方から結婚を申し込まれた。
世間では、男爵の出世の為とか、囁かれているが、全くの誤解である。
そのルイス様も、今は亡くなられてしまった、問題は死因である、
どうやら毒殺のようだが、はっきりとした証拠がない。
一番怪しかったのは、当時愛人のネトだった。ちょっどお嬢様が死ぬ前に、
男子を出産しており、正妻の座を争っていた時だった。
流石に公爵の正妻ともなると、守りも堅く、
仇を討とうにも失敗した時には男爵に迷惑がかかる。
諦めていた時に、今回の托卵女子事件である。
さすがに公爵もはらわたが煮えくりかえったらしく、
世間体があるから、直に手を下すことは避けたみたいだが、
男爵に、娘のことはすまなかったと言ってきた。
いわゆる、男爵に敵討ちを間接的に打診してきた。
男爵は、その提案に乗ることにした。
これだけはっきりしているのに、仇を打たねば貴族社会の笑いものである。
私は、少々老いてきたが、気力はまだ現役だ、
領主様にルイス様の無念を晴らすために刺客を志願した。
志願は、認められ今私たち4人は、ズホンにいる、
待っていろ、元公爵夫人、モウラシア・ネトめ。