234 シルバ侯爵3
私の名は、ガエウ・シルバ侯爵。
お忘れになっている方も多いかも知れないが、ルガトルポ公国一の美食家である。
この度は、王城に呼び出された。
もちろん、例の件セブンスターダンジョンのことでの呼び出しだ。
相手がダンマスであることを忘れて、
食えや飲めやの、豪遊していた事がばれた為である。
ダンジョンマスターは、独自の通信網、移動方法を持っているのを、
美味い飯と酒で、すっかり忘れてしまった。
しかも、私費で視察に行ったのではなく、
国費で行っているので、なんらかの処分は確定だ。
「ガエウ・シルバ侯爵、面をあげよ、此度の件なぜ呼び出されたかわかるか」
「セブンスターダンジョンのことですかな?
諸般の事情により報告書が遅れておることは申し訳ないと思います」
「国費で視察に行って、報告書が上がってこないのは職務怠慢ではないのかな?」
「それに諸般の事情とは、いかなるものかな?」
「こちらが、嫌がるに係わらず、接待攻撃を受け、報告が遅れたことは申し訳ないと思います」
「きっと王都への人脈作りのためと考えられます」
「ほう、無理やり接待を受けたとな?」
「左様にてございます」
「同行した視察官から、報告は受けておる、本来なら爵位降格ものだが、
ロン様もヨン様もカレーが食えるとか言って、ご機嫌だったから、
今回は、自宅謹慎とする、以後気をつけよ」
「ははーぁ」
「あ、そうそう、アレーナ辺境伯への、侘びの品があったら王城に届けてくれ」
「こちらから、返礼をしておこう」