230 リンド村
ヤシリギ共和国の領主ニコス・マフテスの隣に。
リンドという、人口4千人の郡があるそうだ。
おもな、生産物は、胡椒、ナッツ類、ぶどう、陶器だそうだ。
領主は、マーキ・コルゴス子爵、マーキ・エレーニ子爵夫人、
そして長男のマーキ・コスタスという構成らしい。
人口2千人のリンド村を中心に、大小12の村があるそうだ。
問題になったのは、ニコス・ラザロウお嬢様から乞われて、
雑貨をサリラの町に卸したのはよかったが、陶器がバッティングする。
俺としては、そんな小さな地場産業をいじめるつもりはないし、
隣のニコス・マフテス領主とも話し合って和解をすることとなった。
「あなた、隣のニコス・マフテス辺境伯から、親書が来ていますわ」
マーキ・コルゴス子爵は、親書を開けてみた。
「あなた、何て言ってきてますの?」
「知り合いから、試しに陶器の販売を委託されたが、
そちらの地場産業に対抗するものではない」
「担当者をそちらに回すので、今後のことはそちらで相談して欲しい」
「直、担当者は気前がいいが、怒らせると大変なので怒らせないでくれ」
「訪問日時は、そちらで決めてくれ」
「これは、いったいどうゆうことなんでしょうか?」
「さあ、私にも良くわからんが、親書をくれたという事は、
うちと揉めるつもりはない、ということだけはわかる」
「ただ分らないのは、試しに陶器の販売とあることだ、
この近隣で陶器の製造をしているとは全く耳にしていない」
「まあ、とりあえず合って見るか」
こうして、マーキ・コルゴス子爵との会談は決まった。