227 援軍
アリダリア共和国より、援軍がダンジョンに到着した。
「援軍わざわざありがとうございます」
「して、戦況は?」
「敵の数、およそ八千、当ダンジョン前方1.5kmに戦力を展開」
「は、はつせんだと、これは大変だすぐにでも援軍を頼みに行かねば」
応援に来た、軍隊は、その数を聞いて逃げ出そうとしたが、
うちの、モンちゃんに捕まった。
「こら、おっさん、援軍頼みに行くのに、あんたが自ら行くことはねえよ」
「部下1、2人で十分だろう」
「いや、事の重大さから、私みずから申告せねばなるまい」
「だってあんた、事の重大さとか言ってるけど、俺らの話聞いただけで、
自分の目と耳で確認してないじゃん」
「それに、高々八千位俺らでなんとかなるって、ねマスター」
「そうだな、こっちもやることあるし、明日の朝にでもお帰り願うか」
その日の夜、連合軍の水瓶が何者かにより、すべて破壊された。
連合軍側は、深夜にもかかわらず会合を開いた。
「これはいったい、どうしたことですかな? 水なしでは我々は戦えない」
「この責任はアニベロスにある、我が軍は撤退させてもらう!」
「待ってくれ、内通者が見つかれば、この戦力だ、すくにでもダンジョンを落とせる」
「ほう、内通者が見つかれば、水も戻るんですかな? うちも撤退させてもらおう」
「待ってくれ、これだけの兵力がありながら、何の成果も示せねば、私は左遷されてしまう」
「そんなことは、こっちの知ったことか、アニベロス1人でやってくれ」
朝一番アチアクロの軍勢とリガンハの軍勢は、撤退を開始した。
「ふん、臆病者め、こんなダンジョン我が4500名の兵士だけで十分だ」
「お待ちくだされ、ノバク将軍、胃の中は空、飲み水はなしでは力は出ません、
我が軍も撤退を進言いたします」
「なにを馬鹿な事を言っている」
「それでは、私の私兵だけでも撤退させましょう、後で軍法会議でも掛けるがよろしい」
副官に賛同した、各諸侯の兵士は撤退を開始した。
4500人いた兵士は、1500人まで減ってしまった。
つづく。