225 腹痛
「よし、ここじゃ狭い、外へ出て戦うぞ」「OH!」
「え、外に出て戦ったら、すぐにマナ枯渇して制御不能に・・・」
「あら、人の話聞かないで、出て行っちゃったよ」
外に出た俺達は、ツーチェを偵察に飛ばした。
敵、およそ8千、距離1kmのところをこちらに向かって進行中。
思っていたより数が多いですね。
「よし、とりあえずは攻撃はしないで防御に集中、守りの堅いところを見せてやれ」
「OH?」
風向きはこっちが風上か、好都合だ! 距離は残り700mてとこか、頃合だな。
「お腹ピーピー!」 俺は腹が痛くなる魔法を敵軍にかけてやった。
★ ★ ★
「ノバク将軍、敵のモンスターが、ダンジョンの前に並んで勢揃いしてます」
「ばかなやつらだ、わざわざ有利なダンジョンから出て迎え討とうとは・・・」
「重装歩兵を前に、魔法隊を後ろにして、全軍突撃!」
突撃を開始した、アニベロス軍は、残り500m位で足並みが乱れた。
「すまん、急に腹が痛くなってきた、隊列を離れる」
「おまえもか、俺も腹が痛いから、う、ごろごろ・・・」
「どうしたんだ、突然隊列が乱れ始めた、モンスターに臆したか?」
「ノバク将軍伝令です、前線の重装歩兵および魔法隊が急に腹痛らしいです」
「ひょっとしたら、内部に密通者がいて、毒を盛られたのかもしれません」
「いかがなさいますか?」
「ええい、しかたがない、腹痛が治るまで撤退だ」
★ ★ ★
「おいおい、どうなっているんだ、俺たちの目の前にまで来て撤退して行ったぞ?」
「なあ、俺にはそこかしこで、しゃがんで尻出して用を足しているように見えるんだが」
「いや、俺にもそのように見えるわ、とりあえずマスターに報告だな」
「敵、撤収したんじゃしょうがないね、食事でもして待っていようか?」
「はいじゃ、これくじ引き」「○がついてるのが外の見張り役」
「あれ、マスター準備いいですね・・・」