223 黒猫のタンゴ
私の名は、黒猫のタンゴ、昨年末にダンジョン協会に召還された、今年度の新人である。
私がダンジョンの本拠地としたのは、アリダリア共和国、パローロ村である。
なぜここにしたのかというと、マナの集まりは悪いが、獣人が多かったからである。
町は、初めて出来たダンジョンを歓迎してくれて、仲良くやっている。
たまたまできた☆☆☆☆の魔石を練成して、
ダンジョンマスターの生命線である、将軍級のモンスターも召還できた。
ボスモンスターがいないと、たちの悪い冒険者に、
ダンジョンコアを壊されてしまうからである。
やっとのことで、ダンジョンの経営が良くなってきて、
週に1、2個ぐらい魔石を町に卸せるようなってきたのもつかの間、
隣国、アニベロス共和国と雲行きが怪しくなってきた。
人類至上主義を主張する、隣国とは相容れないものであり、
遠からず戦争になるだろう。
ジェネラルフォックスのコンちゃんは、
協会となんと同期に応援要請を出すことを勧めてきた。
私は駄目元で、いざという時は応援が欲しいと連絡を入れた。
協会は、中立を守りたいので駄目だと言って来た。
ただ、同期の連絡先は教えてくれた。
同じように、同期にも連絡を取ったが、1人を除き無理だと言って来た。
同じ獣人である、2人は拒否をされたが、人間である星野という男からは。
「わかった、検討をしよう」と返ってきた。
南国に陣取り、すぐいなくなると思っていただけに意外である。
しかも、この男最近では話題に事欠かない、ひょっとするかもしれない。