219 強制送還
「ねー、おねえちゃんたち、魔王を探しているんだよね」
いきなり、子供に話しかけられた、元勇者一行だが、
「うん、そうだけど、魔王のいる場所知っているかな?」
「知ってるよ、セブンスターダンジョンにいる」
「お譲ちゃん、ここがセブンスターダンジョンだよね」
「ここもそうだけど、入り口は別のところ、その中に魔王たちはいる」
元勇者一行は、お互いの顔を見合わせた、どうせガセだろうけど、
魔王調査を生業としている以上、調査しないわけにはいかない。
「どうする、行くだけは行って見るか」
「行くんだったら、私について来てね」
少女は自転車に乗ると、ダンジョン入り口まで、ゆっくりと走り出した。
元勇者一行は、少女の後を追ったが、ダンジョン入り口まで辿り着いた時は、
息も這う這うの体であった。
「おねえちゃんたち、ほんと元勇者一行なの?」
「はぁはぁ、そうよ、はぁはぁ、その乗り物は何?」
「あ、これは自転車ていうんだよ、移動にすごく便利」
「それより、魔王いたら、ちゃんと報酬頂戴ね」
「わかっている」
元勇者一行は、息を整えながら、ダンジョンに入っていった。
「何? まったくモンスターいないじゃないの?」
「あ、ここに紙が貼ってありますよ、何々魔王に御用の方は、
しばらくここでお待ちください」
「バカにしているわ、誰かのいたずらね」
その時、急に魔法陣が光だし、元勇者一行は転送されてしまった。
「ち、こともあろうに転送の罠に掛かってしまうとは・・・」
「ここは、どこなんだ?」
「ここは、ドラガンダンジョンだ、わざわざ遊びに来てくれるとは」
く、喋るモンスター、将軍級か、旅先だから防具持って来てないわ、
一発貰ったら、それでお終いだわ、ここは逃げの一手しかないわ。
「大丈夫だ、命はとらない、安心しろ」
その後、元勇者一行は、ボコボコにされて、ダンジョンから追放された。