214 視察団到着
その頃、ひとつの定期船がアレーナに到着した。
「ここがアレーナか、やはり南国、この時期にしては暖かいな」
伯爵が観賞に浸っていると、横から声がかかった。
「失礼ながら、王都からの視察団の方とお見受けしましたが、左様でございますか?」
「われは、ガエウ・シルバ侯爵なる、出迎えご苦労!」
「これは、誠に失礼をいたしました、領主ジョゼは、現在アレーナに住んでおらず、
すぐそばのセブンスターという町に住んでおります、馬車にてご案内しますので、
どうぞお乗りくださいませ」
セバスチャンは思った、何で事務方じゃなく侯爵が来るんだよ、
それに冒険者みたいのは連れか? 侯爵の警護らしき騎士に聞いてみた。
「ああ、彼女らは大三元帝国からの依頼で、魔王探索をしている者らしい」
「わが国の将軍級らしいので、わが国の心証を悪くせぬよう、よろしく頼む」
く、侯爵だけでもめんどくさいのに、他国の将軍まで接待するのか・・・、
てか、他国の将軍は、白い馬車にくぎづけた、乗りたいオーラ満開だ。
「そこの冒険者の方々、よろしければ、
ご一緒にセブンスターまでご案内しますがいかがでしょうか?」
「え、これに乗れるの、お姫様みたい・・・」
こうして、黒と白の馬車は、セブンスターダンジョンへ向かった。
「この馬車結構な速さで走っているけど、全然揺れないわね」
「お尻も全然痛くならないし、こんなのが田舎に走っているとは思わなかったわ」
「ちょっと、前から豪華な馬車がやってくるわ、何あれ?」
「今、すれ違いながら、向こうの人たち、こっちに挨拶してたけど何?」
こうして、視察団と元勇者一行の馬車は、ホテル前に到着した。