211 雑貨屋2
次の日、学園から帰ってきた、娘がお土産を持って来た。
「おかあさん、今日家庭科とかいう授業があって、そこで料理の実習をしたんだけど、
その時の残りが出たので、持って帰っていいというから、貰ってきちゃった」
「ちょっと冷めちゃってるから、温め直すね」
雑貨屋の食堂に、カレーとナンが並べられた。
「すごくいい匂いだけど、これは何?」
「カレーとか言うんだって、あ、このとび○からスパイスをかけると辛くなるからかけてみて」
「美味しい、これあんたが本当に作ったのかい?」
「そうだよ、いつもおかあさんの手伝いしてたから、簡単だった」
「先生にも、オリビアさん上手ですねって、褒められた、へへへ」
「で、このスパイスも貰ってきたのかい?」
「そう、いっぱいあるからくれるって」
ちょっと待ってよ、このスパイス辛くて美味しいんだけど、
これ買ったら1万ドラ位するんじゃない?
「で、おかあさん、今週の週末、レストランというところに手伝いに行っていいかな?」
「なんでも、日当1万ドラ出て、さらにいつも食べている食事より良いのが食べられるらしい」
わたしは、子供の経験を考え、許可をした。後で聞いたがすごかったらしい。
店の方も、商工会の方から突然新しい荷物が入り出した、中には魔導具まである、
いったい、いくらで買って欲しいと言うのか?
商工会が重い口を開いた。
「最初に言っておきたいが、これから話すことは絶対に秘密だ」
「商工会は、商品の価値が、いまいち分らないものが多い」
「それで、原価を教えるので、利益を折半したい」
「なお、売れないものに関しては返品もできる」
「では、商品を見ていこう、まずこのタンブラーからだな、水をもらえるか」
「このように水を入れると色が変わる」
「魔導具のコップ!」
「いくらぐらいに見える?」
「1万ドラ位の価値はあるでしょうが、すぐ売るとなると5千ドラ位でしょうか」
「王都なら、1万ドラでもすぐ買い手がつくでしょうが、ここはそんなに裕福ではないので」
「実は、これ400ドラなんだ」
「へ、400ドラ? 魔導具のコップが?」
「実は、このような商品が馬車いっぱいある、
あまり高値をつけるとダンマスが煩いので、原価の10倍以下にしてくれ」
「どうだ、やってみるか」
「もちろん、喜んでやらせていただきます、ハイ!」
どうやら、私にも幸運が巡りこんできたようだ。