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ミニマムはマキシム  作者: 特技は穴掘りナノ
第五章 大三元帝国
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198 子供たちの歓迎会

 こうして、モルゴンの孤児たちと、うちの児童たちの懇親会が始まった。


 やはり、言葉の壁はあり、しばらくは苦労するだろうがしかたがない。

食事が始まる前に、領主アレーナ・ジョゼ辺境伯から挨拶があった。


 懇親会の方は、まずうちの児童たちが料理をとり、手振りで教えている、

モルゴンの孤児たちも、なんとなくは理解したようで、お盆を持って取っていく。


 モルゴンの子供たちが、中華料理のあたりで騒いでいる、

俺は、どうしたのか尋ねたら、なんでも自分の国の王宮に似た物があるとのことだ。


 もう、挨拶も終わっているので、各自食べ始めている、

そうとう旨かったのか、それとも山椒が効きすぎたのか、涙ぐんでいる子もいる。


 料理の方は大好評で、モルゴンのみんなも大喜びだ。

特に自国の高級料理に似た物が、出て来たは嬉しかったみたいだ。


 配膳をしていると、セバスチャンが俺に話しかけてきた。


 「明日昼、アレーナ商工会が来ますので、よろしくお願いします」とのこと。


       ★  ★  ★ 


 僕の名前は、英張偉、モルゴン孤児院の孤児の1人だ。


 今から約3年位前、突然両親が行方不明になった、この国では珍しいことではないが、

僕は、いきなり孤児になり、ここに預けられた。


 ここでの生活は、可でも不可でもなかった、国からの支援は、ほとんどないが、

直ぐ裏に森に囲まれた山があり、そこの山椒や、きのこ類を採って来て生活費としていた。


 ある時、森に入ってきのこを探していると、森の中からおじさんが出てきた。


 「おじさん、こんな森の中1人じゃあぶないよ」と僕は注意をした。


 僕のことを見たおじさんは、「おお、あそこの孤児院の子供か?」

 「今、ちょうど孤児院にいくところだ、坊主も一緒に来るか」と言った。


 こっちも、そろそろ帰ろうかと思っていたので、一緒に帰ることにした。


 一緒に来たおじさんは、院長に声をかけると、部屋の中へ入っていった。

どうやら知り合いだったようだ。


 それから数日後、となりの州広から、いつもの商人がやって来た、

なんでも、うちの山椒やきのこは品質が良く高値で売れるそうだ。


 ただちょっと、妙だと思った、持っていく麻袋の量が多い、

しかも大事そうに、持っていく箱もある。


 気になった僕は、調べてみることにした。


 結果、あのおじさんは、ダンジョンマスターであることがわかった、

しかも、あのおじさんが来た、数日後に州広から、いつもの商人が来る。


 ある時、麻袋が破けて中身が見えた、鞘つきの剣と魔法の杖である。


 その時、僕はすべてを理解した。


 あのおじさんは、本来冒険者に出すべき物を、横流ししている、

それが、ばれない様に、わざわざ隣の商人に売り渡している。


 だが僕は、これを黙っていることにした、

なぜならこの孤児院にも、少なからずお金が入っているみたいだからだ。


 孤児院を支援している、おじさんを裏切ることは出来ない。


 つづく。

 


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