163 勇者の最後
勇者が逃げて、お叱りをくらったのは、子孫だけではなかった。
勇者の、正妻。勇者の愛人たちも年金を止められ、全員が、情婦館に飛ばされた。
面食いだった勇者が選んだだけあって、美人が多い、
しかし、それだけだ、家事、炊事、洗濯、育児、揃いも揃って全員何も出来ない。
元から、イケメンの勇者に玉の輿希望だから、仕事覚える気もない。
勇者の庇護の下、結構好き勝手してきた。
「ちくしょう、あのろくでなしが逃げてくれたおかげで、このざまだ」
「せめて死んでくれれば・・」
「今回も、魔王を倒して、報奨金が出ると思っていたので、だいぶ借金がある」
「こんなところでくすぶり続けてもしょうがない、
この際、顔は多少がまんしてでも、金持ちに取り入って、必ず復権してやる」
☆ ☆ ☆
その頃、勇者の子孫たちは、隣国の情婦館にいた。
「ついに見つけたぜ、バカ親父、ぶっ殺してやる」
「ほう、剣の練習もまったくやってこなかった、おまえたちに倒せるかな?」
「こっちは10人もいるんだ、勝てないわけがない」
「みんな、一斉に行くぞ」
勇者の子孫たちは、斬りかかったが、半分は様子見だ、
勢いよく、斬りかかった男は、剣を折られて、逆に斬られてしまった。
一応勇者で、実戦経験もある、勇者の敵ではなかった、
1人また1人と斬られ、女子組みは逃げたそうとしたが、勇者は容赦なかった。
最後に止めを刺した時に、勇者の背中に矢が刺さった。
「あんたが、勇者だったのか、イケメンとは聞いていたけど、
この国まで手配書廻ってなかったから分んなかったわ」
「それてしても、ひでーことするな、自分の息子、娘まで容赦なしか」
「俺たちが印籠を渡してやるぜ」
勇者も善戦したが、矢が刺さって、冒険者4人はきつかった、勇者は首を刎ねられ死んだ。
「明日は猫まんま、勇者を討ち取ったり!」