158 人質
「いいかお前たち、絶対に殺すなよ、怪我をさせるのも駄目だ、
この使命に、モルゴンの独立が掛かっている、失敗すれば独立は無理だろう」
「よし、やつが町に向かった、気づかれないようにうまくやれよ」
モルゴンの森にある、ダンジョンに旅人の格好をした兵士5人が突入した、
「よし、うまく身柄を確保できた、あとは交渉するだけだ」
★ ★ ★
「理事長、モルゴンのダンジョンより連絡が入ってます」
「え、モルゴン? 何々これは不味いことになったわね」
「どうしたんですか?」
「モルゴンの自衛団が、モルゴン・ダンジョンのゴボルトを人質にとったらしいわ」
「モルゴンのマスターから、ゴボちゃんを助けて欲しいと、私の唯一の友だからと」
「随分と卑怯な手使ってくるわね」
「で、理事長、星野さんに連絡とるんですか?」
「とりあえず、向こうの要求を聞いてみましょう」
★ ★ ★
モルゴンが独立宣言をした際、中央政府が粛清に来るだろうから、
それを守れるだけのモンスターを派遣して欲しいとの要求だ。
「こんな要求を呑んだら、大三元帝国と協会の全面戦争になってしまう」
「とても呑める条件ではない」
「でも、星野さんに妙案があるかもしれないから、連絡はとりましょう」