153 大三元酒場
大三元帝国のとある酒場。
「おい、聞いたか、ダンジョン1位のポンシェが潰れたのを」
「ああ、モンスターが溢れ出て大変だったらしいぜ」
「なんでも元は、勇者が逃亡しちまったのが起因らしい」
「ああそれで脚本が、狂ちまって、修正に向かった魔王たちがいないことにつけ込んで、
弱モンスターが蜂起したんたろ」
「じゃあ、魔王たちは、まだファン・ゴンに居る訳か?」
「あそこ、マナないし、もう死んでるんじゃね?」
「いやいや、当座間に合う位の、魔石は持って行っているだろ」
「そういえば、勇者の子孫、奴隷紋つけられて、討伐に向かったんだよな」
「まあ、返り討ち合うのが関の山だろうが、教会も邪魔者には早く死んで欲しいんだろ」
「それで思い出したけど、勇者の討伐、賞金ついたんだってな、
20ダンジョンインゴッドだそうだ、確か、生死は問わないらしい」
「おお、それは豪気な、俺様も勇者討伐に出向くか? ハハハ・・」
「それより、魔王討伐の方が楽じゃね? マナが尽き掛けのところを強襲」
「国からたっぷりの報奨金貰えるんじゃねえ?」
酔っ払いたちの話は、まだまだつづいた。
★ ★ ★
その頃の、ファン・ゴン。ダンジョンを偵察に行っていた部隊が戻って来た。
「どうだった?」
「まったく、何もありません、もぬけの殻です」
「いったい、やつらどこに行ったんだ」