148 ポンシェ狼狽2
その頃、ダンジョン1位のポンシェは狼狽していた。
「どうなっているんだ、全然マナの流失が止まらない」
「しかも、勇者たちは、籠城を選んで応援待ちだと」
「玉砕覚悟で、向こうのモンスター減らしてくれれば、
マナの流失も減るのにふざけるな」
ポンシェダンジョンには、四天王と魔王がいる。
春の、ラン・スウデロン。
夏の、ツーチェ。
秋の、バイスデ・ラオフゥ。
冬の、シャンウー。
四季の、チャンチングウ。
四天王は将軍級、魔王は王級である。
チャンチングウが重い口を開いた。
「このままでは一行に埒が明きません」
「いざという時は我ら全員でファン・ゴンを攻めましょう」
「幸い、こちらのダンジョンコアと向こうは紐付けされており位置はわかります」
「向こうのダンジョンコアを壊せば、マナの流失は止まるでしょう」
「できれば、ファン・ゴンからも出陣してもらい、
敵戦力を分散させれば、仕事はやりやすいのですが・・」
「わかった、わしからも、もう一度教会に催促してくれよう」
「よろしくお願いいたします」
★ ☆ ★
その夜、教会の幹部と勇者を除いた勇者一行の秘密会議がおこなわれた。
明日、朝一番で勇者を向こうに引き渡すことで話はまとまった。
元から、そうゆう予定だったから、異論を唱えるものは誰もいなかった。
その夜、闇にまぎれて城内から抜け出す1人の男がいた。
「俺はまだ死ぬわけにはいかん、愛の伝道師リーチェは必ず生き延びてみせる」