146 その頃の勇者一行
一方、その頃の勇者一行は、進軍を躊躇していた。
理由は、ファン・ゴンに作られたダンジョンが、
何らかの理由でモンスターが氾濫を起こし、離反したとの報告が入ってきたからだ。
「不味い事になったな、不測の事態が起こりかねない」
「どうせ、あのドケチのダンマスが、マナケチって、一部が離反したのだろうが」
「とりあえず、ファン・ゴン街に、入城して自衛団と相談するか」
「勇者と中央の命令に、無下には逆らえまい」
「皆の者、ファン・ゴンに向けて出陣」
☆ ☆ ☆
ファン・ゴンに無事入城した、勇者一行は状況を確認した。
「して、ダンジョンの様子はどのようになっておる?」
「それが、全然攻めてこないどころか、宴会をしてます」
「夜には、綺麗な火の玉を上げて、奇声をあげておりました」
「明日は、果たし状の日時なので、動きがあると思いますが・・」
「はあ、モンスターが宴会? そんなことは聞いたことがないぞ」
「嘘だと思うなら、そちらから偵察隊出して確認すればいいでしょう」
「結構近くまで行っても、向かってきませんから」
「わかった」
「私の感だと、向こうは勇者との一騎打ちが、できればよいと思っているのでは」
★ ★ ★
その頃の勇者
「どうやら敵は、勇者であるこの僕と一騎打ちを所望らしい」
「しかし、わざわざ敵の手に乗る事はない」
「いかにも乗った様に見せて、全員で一斉攻撃」
「弱ったところで、僕が止めを刺す方針でいこうと思う」
「おいおい、こいつ大丈夫か、先代聖女様がぶん殴ったのよくわかるわ」