144 バーベキュウ
俺達は、ファン・ゴン近くにできたダンジョンを只今監視中だ。
たぶん「果たし状」まで出してきたんだから、
攻めて来ることはないだろうが、一応用心しとかなければならない。
「ん、ダンジョンからモンスターが出てきたぞ」「団長に連絡だ」
「おい、ドンドン出てくるぞ、しかもオークらしいがオーラが違う」
「変異種とか上位種だったらまずいな」
「あ、団長、ダンジョンから複数のモンスターが現れました」
団長は、望遠鏡を覗き込むと、そこには複数のオークたちがいた。
「おい、あれはなんだ、普通のオークじゃないぞ、それにミノタウロスもいる」
「こりゃやばい、はやく城門を閉じらせろ」
「手の空いているものは、全員戦闘準備!」
「あれ、やつら何か台みたいなものを出し始めましたね? なんでしょう?」
「おろ・・真ん中に人がいますね、旅人あたりが捕まったのでしょうか?」
「でも、よく見るとモンスターと、仲良く談笑しているように見えるのですが、気のせいでしょうか」
「いや、俺にもそのように見えるぞ」
「あれ端のほうにいる、あいつはラン・スウ、なにやってんだあいつ?」
「なんか俺にはオークに絡まれているように見えるんだが・・」
「何か、肉みたいのを焼いて食べているみたいですね」
「それに黄色い液体を飲んでいるみたいです」
「まさかとは思うのですが、エールとかじゃないですよね」
「なあ、俺にはやつらが、青空の下で宴会をやっているように見えるんだが、気のせいか?」
「いえ、私にもそのように見えます」
「果たし状も出してますし、勇者一行がくるまでは、あそこで宴会するつもりでは?」
「ち、なめやがって」「かと言ってこちらから攻める訳にはいかんなあ」
「やつら、ホント強そうだし・・」