121 ポンシェ
私の名は、ポンシェ。
大三元王都の外れにある、ダンジョンのマスターである。
何を隠そう、この星のダンジョン序列で、1位、そう頂点である。
今年は10年に一度の魔王復活祭の年である。
私の元に、教会の大司祭が内密に訪れていた。
今年の脚本の打ち合わせをするためである。
「ダジィスウ大司祭よくこられた、で今回はどうするのだ」
「一応勇者は、今回で消えてもらおうかと」
「魔王と相打ちという線か?」
「いえ、誰か四天王にあえなくやられ、その子供たちが、父の敵討ちをするという線です」
「さらにその子供たちもやられ、絶体絶命を演出、あらたなる勇者誕生を考えてます」
「なるほど、その方が信仰力は集まり易いな」
「でも勇者の子供たちも評判悪いけど、受けるのか?」
「その点は、こちらで万事準備しております」
「それで場所は、モルゴンか?」
「いえ、ファン・ゴンで」
「ちょっと待て、ファン・ゴンは中堅都市で、自衛団までいるじゃないか、
おまけに海沿いでマナ集めずらく、こっちのメリットがない」
「あんたたちは、じゃまな都市だから処分したいんだろうけれど、見返りは?」
「10人位を政治犯にしたて、役を付けて、ダンジョンに放り込むでいかがでしょう」
「全然足らんな!」「1人で大体小さな魔石1個しかならん、せめて50個分くらいは欲しい」
「わかりました、不足分は現物でお渡しします」
「で日時は決まっているか? こっちも協会に新設ダンジョンの申請をしないといかんからな」
「一応6月の頭で」
「あと2ヶ月ちょっとか、わかったこちらも準備しておく」