109 お殿様
メンタンピン一行の朝は、遅かった。
旅の疲れが出たのか? それともアルコールによるものかは判らないが、
昼近くまで、ぐっすりお休みになった。
ちなみに、寄宿舎とホテルのメンバーには、目覚まし時計を渡してある。
みんな魔道具が貰えたと大喜びである。
さすがに4人相手に、大浴場沸かすのも、もったいないし、掃除が大変だ。
黄金風呂とジャグジーに、入ってもらい。遅めの朝食にしてやった。
海の町ということで、海鮮丼と色々なフライ類、焼き魚を出してやった。
酒はないのか、昨日のクレームブリュレはないのか、ブーブー煩かったが、
無視してやった。
朝食も食べたし、綺麗になったし、目的のダンジョン調査も終わったし、
さあ、あとは、お帰り願おう。
もう殿様気分で、めちゃくちゃ帰るのを嫌がったが、
こっちも、接待している時間がない、お嬢様が出てきて、
帰れコールしてくれたおかげで、何とか帰ってくれた。
そのあとメンタンピン一行は、国に帰り、
うちの宣伝をしてくれるとばかり思っていたが、
なんでも帰る途中途中でトラブルを起したらしい。
おそらく「なんだこの汚い宿は、こんなのに金払えるか」とか、
「なにこの不味い飯は、犯罪奴隷も食べないわ」とか喧嘩売りまくったんだろう。
で、喧嘩沙汰になり、捕まったらしい。
最初は、犯罪奴隷になりそうだったが、大国の冒険者ということで、
罰金で済んだらしい。
当然本国の任務は、不履行、パーティの級も降格で解散したとのこと。
間違っても、うちに戻ってきて欲しくないな。
そういえば、「行きはよいよい 帰りはこわい」て歌もあったな。