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8 極楽へイかせてあげるっ!? JS美澄 極〇大作戦 その3

「どうしたの?キーお兄ちゃんも早く脱がないと、お風呂入れないよ?」


 脱衣所に着いた途端、美澄ちゃんはあっさりと全裸になった。

 幸いにというか、その脱ぎっぷりは施設のチビどもとそっくりで、まだまだこの子は子供なんだという安心感も得られた。

 だが、なぜか二の腕を胸に寄せてやや前傾姿勢をとり、微妙に谷間を強調しているように見えるのが気になる。

 華澄さんの娘である以上、将来性はあるのだろう。もちろん今はまだ、年相応に谷間など無いに等しいのだが。

 しかし……。

 俺は意図的に目の前の裸から目を逸らす。

 たしかに小学生だし、まだまだ子どもなのだろう。当然ながら凹凸の少ない、少女らしい体形だ。

 だが、よく見ればその体はやや丸みを帯びてきており、胸はわずかながらも膨らみを見せている。

 ぶっちゃけ、たとえ本当の父親とでも、そろそろ一緒に入ったらマズイ年頃になってきてるんじゃないだろうか。

 

「くしゅん!キーお兄ちゃん、寒いよ」

「あ、ご、ごめん!」


 寒そうに震える美澄ちゃんを目の前にしては仕方がない。風邪でもひかせたら一大事だ。俺は意を決して、服を脱ぎ捨てたのだった。

 もちろん、前はしっかりとタオルで隠してだが……。


☆ ☆ ☆


「うふふ。パパとかお兄ちゃんとお風呂に入るのって、こんな感じなのかな?楽しいね、キーお兄ちゃん」

「そ、そうだ……ね」

「でも、やっぱりキーお兄ちゃん、すっごく大っきいなぁ」

「は?まっ、まさか見えてる!?そ、それに大きいって……。美澄ちゃん、ほ、ほかにも見たことがある……の?」

「え?そりゃああるよ。プールとかで見る、先生とか同級生の男の子と比べても、キーお兄ちゃんの体はすっごく大きいもん」

「あ……。ああ、そっちね……」

「そっち?大っきいって、体のほかにもなにかあるの?」

「うぇ!?い、いや、なんでもないよ!」


 体を洗い終えた俺たちは、向かい合って湯船に浸かっていた。

 もちろん、美澄ちゃんの提案する洗いっこは背中以上は頑なにお断りしたし、やや不満そうながらも納得はしてくれた……と思う。

 だが、亡くなったお父さんのことを言いだすのは反則だと思う。そんなことを言われたら、何を要求されても断り辛いじゃないか。

 だが……。

 少しばかり落ち着いてからこの状況を見ると、さすがに目のやり場に困る。なぜなら、俺の前で向かい合って湯船に浸かる美澄ちゃんは、当然ながらすっぽんぽんだからだ。

 そしてなぜか、俺の股間のタオルも剥ぎ取られていた。もちろん、手でしっかりと隠してはいるのだが……。

 なぜ二人ともタオルすら付けていないのか。もちろん俺に、少女に股間のソレを見せつける趣味があるわけではない。

 それは、美澄ちゃんの一言が原因だった。


「タオル着けたままでお風呂に入ったら、いけないんだよ!」

「いっ、いや。でも……」

「マナー違反だって、テレビで言ってたもん!」

「でっ、でもね、男にはいろいろと隠したいものが……」

「ママはいつも言ってるよ。ルールやマナーを守りなさいって!」

「は、はい……」


 女子小学生に正論で言い負かされ、俺は仕方なくタオルを取ったのだった。

 結果として、堂々と手足を広げる美澄ちゃんとは反対に、俺は内股で一生懸命に股間を隠している。これではまるで、俺のほうが乙女みたいだ。

 もちろん俺は少女に興奮する趣味はないし、真ん中のモノが元気になってしまい隠しているわけでもない。

 俺が懸命に股間を隠す理由。それはなんと言うか、俺のモノはかなり『デカい』のだ。先ほどの美澄ちゃんの言葉に、過剰に反応してしまったのもそのせいだ。

 なぜそんなことがわかるかといえば、施設で風呂に入るときや、修学旅行での風呂場での経験だ。

 俺くらいの年齢の男は大抵恥ずかしがって隠すものだが、中には亮太を筆頭に、隠すのは男の恥とでも思っているヤツらもいる。

 そんなヤツらのモノを見ていると、明らかに俺のサイズが飛び抜けていることがわかる。

 誤解ないように言っておくが、俺にBOYSがLOVEの趣味があり、じっくりと他の男のモノを観察していたわけではない。目の前でブラブラとさせられれば、見たくなくても目に入ってしまうだけのことだ。

 けっして自慢するわけではないし、あくまで体のサイズに合わせた種族的なものだと思う。だが、あまり一般的ではないモノを見せて、美澄ちゃんのトラウマにでもなったら大変だ。

 

「ねぇキーお兄ちゃん、お膝の上に乗ってもいい?」

「うぇ!?い、いや、ダメだよ!」

「どうして?美澄、パパのお膝で一緒にお風呂に入るのが……。ぐすっ……」

「……っ!…………。ちょ、ちょっとだけだよ……」


 結局、泣く子と美澄ちゃんには勝てなかった……。


☆ ☆ ☆


「疲れた……。本当に疲れた……」

「どうしたの?キーお兄ちゃん」

「あ……。い、いや、なんでもないよ」

「うふふ、楽しかったね。また一緒に入ろうね」

「う……、うん……」


 脱衣所で碌に体も拭かずに慌ててパンツを履き、ようやく一息つく。今まで気付かなかったが、パンツというのはなんと素晴らしい装備なのだろう。

 こんなに薄い布切れ一枚なのに、今はRPGで伝説の防具一式を手に入れたような安心感がある。まさに人類の英知を極めた発明だ。もしかして今なら、魔王のどんな攻撃すらも跳ね返せるんじゃないだろうか。

 欠点は濡れたパンツが肌にまとわりついて気持ち悪いことだが、小学生女児に俺のイチモツを見せつける事案が避けられた安堵感に比べれば、そんなのは些細なことだ。

 それにしても……。

 入浴中、俺の膝の上に乗った美澄ちゃんは、なぜかやたらとお尻を押し付けてきたり、抱きついて薄い胸を押し付けてきたりと、とにかく隙あらば体を密着させてきたのだ。

 もちろん、疑似的な父親を慕う無邪気な子供の態度だとは思うのだが、俺はそんな美澄ちゃんの相手で、正直風呂に入る前より疲れていた。

 ちなみに男というのは、たとえ精神的に興奮していなくとも、体への刺激でごく一部の箇所が反応してしまうこともあるのだ。『グヘヘ、嫌がってもお前のカラダは正直だぜ!』というやつである

 万が一そんなことになったならば、この家を叩き出されるだけならマシな方だ。最悪はしかるべき所へ通報のうえ、国家権力のご厄介になることになる。

 いや、その前に那澄菜に殺されるかもしれないな……。

 美澄ちゃんが密着している間、俺は心の平静を保つため、思い出したくもない受験勉強の数式を必死に頭に思い浮かべていた……。


「やっと出やがったか……。ほら美澄、早く髪の毛を乾さないと……」


 おそらく、ずっと見張っていたのだろう。扉が開くと、苦虫を噛みつぶしたような表情の那澄菜が顔を出す。

 だが、次の瞬間俺の姿を見て固まる。そして……。

 

「きゃぁぁっ!!ななっ、なんてカッコしてんだよ!は、早く服着ろよ!」


 外見に似合わない可愛らしい悲鳴が聞こえたかと思うと、俺の顔に向かってタオルが投げつけられ、勢いよく扉が閉まる。

 それからしばらくして、ゆっくりと扉が開く。そっと覗き込んで俺が服を着終えているのを確認すると、何事もなかったかのように脱衣所に入ってきた。

 

「ほら美澄、まだ寒いんだから風邪ひくぞ」


 そういうと、大きめのタオルで美澄ちゃんの髪をわちゃわちゃと拭き始めた。

 

「那澄菜姉。キーお兄ちゃんとのお風呂、楽しかったよ!」

「そっか……。よかったな」


 なんだかんだ言いながらも、妹思いの姉なのだろう。美澄ちゃんの楽しそうな顔を見て、那澄菜は顔をほころばせる。

 

「それよりも……。お前、美澄に妙な事してないだろうな」

「すっ、するわけないだろ!」

「ケッ、どーだかな。美澄、コイツになんかされなかっただろうな?」

「なんかってなあに?」

「い、いや……、なんかっつーのは、その……」

「心配しなくても、キーお兄ちゃん優しかったよ。それに、すっごく大きくって、固くって、逞しくって、くっついてると安心するの」

「へ~。そうか、よかったな。…………って、はぁ!?お、大きくって、固くて、ふふっ……、太くて逞しいのがくっついてるって……。おおおお、お前、ままま、まさか……」


 次の瞬間、俺を見る那澄菜の表情が阿修羅のごとく一変する。

 

「ちょ、ちょっと待て!俺は何もやましいことなんてしてないぞ!そっ、それに、誤解を招くような表現が増えてるうえに、文章が変な風に合体してないか!?」

「が、がが、合体!?まま、まさか……、みみ……、美澄と合体って……」

「ちっ、違げーよ!合体って、言葉がって意味で……!」

「だっ……、黙れ!こっ、この変態ロリコン野郎がぁぁぁぁぁっ!!」


 だが、興奮した那澄菜はすでに俺の言葉など聞いてはいない。拳を振り上げ、まさに俺に殴り掛かる瞬間だった。

 

「も~、すごかったんだから!キーお兄ちゃんの固くて大っきい……筋肉!!」


 人がずっこけるという、現実ではお目にかかることのないシーンを初めて見た。

 というか、今確信したが、やはりこの子も円城家の血筋だ。純粋そうに見えて結構な小悪魔さんのようで、澄麗さんのごとくわかっていて那澄菜をからかっているのだろう。

 だが、少しばかりタイミングが悪かった。

 今まさに俺に殴りかかろうとしていた那澄菜は、振り上げたこぶしを止めようとしたのだろう。無理な体制で止まろうとしたところに、足元のバスマットが滑り大きくバランスを崩す。

 

「危ねえっ!」


 次の瞬間、那澄菜は俺に抱かれていた。いや、イヤらしい意味じゃなくて、倒れそうな那澄菜を俺が抱きとめたのだ。

 

「うわぁ~、ラブシーンだぁ!那澄菜姉ズル~い」

「ふう……。大丈夫か?」

「あ……、あひゃ……、ひ……、ひぐっ……」

「おい、どうした?どっか痛めたのか?」

「ひぎっ……、ひ……、ふ……、さ……、さ、触っ……。ふぐうぅぅっ……」

「お、おい、落ち着けって。ホントに大丈夫かよ」

「ひ……、ひ……、い……イヤァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」


 たしかに抱きとめ方は少しばかり乱暴だったかもしれないし、倒れないように力を入れた拍子にちょっとばかり……、いや、しっかりと胸や尻を鷲掴みにしてしまったかもしれない。

 だが、言い訳をさせてもらえばわざとじゃないし、触ったのもわずかな時間だったはずだ。おまけに、華澄さんたちと違って小さい……じゃなくて、あまり肉がついていないおかげか、それなりに柔らかかったとはいえ、それほどしっかりとした感触も感じられず……。

 ま、まあそれは置いておくとして、とにかく助けてやった俺に対してこの仕打ちはないだろう。

 乾いた音が鳴り響いた後、那澄菜は涙目で真っ赤な顔をして、脱衣所を飛び出して行った。

 

「痛そう……。あ~あ、キーお兄ちゃん可哀想。美澄が慰めてあげるね。ほ~ら、よしよし。いい子でちゅね~。痛いの痛いの、飛んでけ~」


 幼児のごとく頭を撫でられる俺は、美澄ちゃんの好意?を、黙って受け入れるしかなかった。

 ちなみに、俺の左頬の赤い紅葉は翌朝までハッキリと残り、朝食の場で澄麗さんに大笑いされたのだった……。

美澄編はこれにて終了です。次回からは、少しばかりシリアスな話となります。

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