59 初恋 ~夕映えはあんず色?~ エンディング
「やあ。見てたよ。優勝おめでとう、赤神君」
「あ、ありがとう。それに、こ、ここに来てくれて……」
大会会場裏にあるのは、なかなかの広さを持つ公園だった。
これから試合を控えているのだろうか。幾人かの道着を着た人がランニングをしている姿は有れど、人影はまばらだ。
だが、それも仕方のないことだろう。
幼児や老人がこの暑さの中で屋外で遊ぶなど、自殺行為に等しい。おまけにうだるような暑さの中、金切り声をあげて響き渡るセミの鳴き声が、いっそう暑さを際立たせている。
だが、そのおかげで二人が立っている大樹の木陰にも、会話を邪魔をするものはいない。
「ご、ごめん。こんなに暑いとは思わなくて。やっぱり会場に戻りましょうか」
おそらくは、気温のせいだけではないのだろう。亮太は顔を真っ赤にし、額に玉のような汗を浮かべている。
「僕はここで構わないよ」
「で、でも……」
「赤神君がここを選んだってことは、何か理由があるんだろ?大勢の前では話し辛いとか。特に…………鬼一には聞かれたくないとか……」
「ぐっ……。そ、それは……。で、でも、鬼一に対しても、決してやましいことはないんだ!」
「わかってるよ。……ごめん。今のは少し意地悪だったね」
「いや、鬼ノ元さんが意地悪だなんて、そんなことあるわけ……!」
「あはは、そんなに僕を美化しなくてもいいさ。あれだけ小っちゃい頃からの付き合いなんだ。赤神君にはある程度、素の自分は知られてると思ってるよ」
「…………。いや、その……、まあ、少しは……」
「それに、この木陰は風も通るし、随分と涼しいさ。赤神君が暑くてたまらないって言うんなら、移動するけど?」
「俺は大丈夫。だったら……」
「うん、素の僕を知っていてもなお、言いたいことがあるんでしょ。ちゃんと聞くから」
「ありがとう……」
少しばかり逡巡していた亮太だったが、大きく深呼吸をした後、真っ直ぐに秘密子を見据える。それはまさに、これから試合に挑もうかという時の気迫そのものだった。
「聞いてほしんだ鬼ノ元さん。初めて君を見たのは、道場に鬼一を迎えに来ていた小学生の時だった。そして一目見たその時から俺は……、俺はずっと……!」
☆ ☆ ☆
「ちょっと鬼一先輩、どこ行くんすか!?」
「だから、帰るんだよ。まったく、二杯もおかわりしやがって……。グズグズしてる間に、もう夕方じゃねーか」
「帰るって……。赤神先輩も一緒じゃなくていいんすか?それに鬼ノ元先輩……、はどうでもいいっすけど」
「お前なぁ……。秘密子といい那澄菜といい、なんで俺の周りの女どもはこんなに仲悪りぃんだよ」
「知らないっすよ。自分が先輩のお世話してると、露骨に不機嫌になってちょっかい出してくるんすから」
「だから、お世話なんかいらねえんだよ。そもそも、俺の世話する暇があるなら友達と遊べよ。そんなことばっかしてるから、友達ができねぇんだよ」
「うぐっ……。と、友達なんかいらないっす!だいたい、あいつら弱いし……」
「どういう基準で友達を選ぶんだよ……。お前はアレか?友達っつーのは『強敵』と書いて『とも』と読むとでも思ってんのか?お前の目には、周りの連中は世紀末でモヒカンのマッチョ共にでも映ってんのか!?」
「は?なんすかそれ?」
「いや……、さすがに古すぎるうえに女子にはわかんねえだろうし、なんでもねえよ。まあ、友達の数に関しちゃ俺も人のことは言えねーけど……」
「ほっ、ほらっ!鬼一先輩だって、赤神先輩しか友達いないじゃないですか!それに自分は休み時間は先輩たちと過ごしてますから、ボッチじゃないっす!」
「そりゃそうだけどなぁ……」
勝ち誇る銀狐だが、だからといって同級生の友達がいなくていいわけでもないだろう。稽古の時だってほとんど男子部に入り浸りだし、未だに女子部では浮いているようだ。そもそも、俺達が卒業したらどうなるのか。それこそ一人ぼっちになってしまうのではないだろうか。
だが、いきなり友達を作れったって上手くいくはずもない。そもそも俺自身が、どうすればいいのかよくわかっていないのだ。
少しばかり悩んだ末、俺はこの問題を棚上げにし、目の前の問題を解決することにした。
「よし銀狐、夕飯奢ってやるぞ。駅前のハンバーガーでいいか?」
「ホントっすか!?今日の先輩は太っ腹っす!押忍、ありがとうございます!」
正直に言えば、先ほどのかき氷は珍妙なトッピングプラス銀狐のおかわりのおかげで、予想外に痛い出費だった。だが、無駄に時間を喰ってしまったし、とりあえずはこの場から銀狐を遠ざけることが先だ。
もしも告白が成功してラブラブになった亮太と秘密子と遭遇した場合、こいつは間違いなく雰囲気をぶち壊すだろうからだ。
しかし……。
想像しがたいが、秘密子が誰かに恋をして、盲目的になることなどあるのだろうか。そんなことを考えているうちに、言いようのないモヤモヤしたものが心に浮かぶ。
「先輩?どうしたんです。ま、まさかお腹痛いとか?」
「んぁ?違げーよ」
「よかったぁ。せっかくのデートが台無しになったら、悲しいっすからね」
「デ、デートって、おま……。メシを食いに行くだけだろうが。ったく……」
意識せずに過激な下ネタともとれることを言ったかと思えば、本当のエッチな話には真っ赤になって狼狽える。そうかと思えば、あっけらかんとデートなどと口にする。正直銀狐の恋愛における、羞恥の基準がさっぱりわからない。
「ホントに仲良いよなぁ、お前ら。もう付き合っちまえよ」
「は!?お、お前、何でここに……?」
俺たちの後ろからひょっこりと現れたのは、秘密子に告白している真っ最中のはずの亮太だった。
「あ、間に合ったんすね。聞いてくださいよ、鬼一先輩ったら酷いんすよ。赤神先輩を置いて、先に帰ろうなんて言い出すんですから。あ!でも、そのおかげでデートは無しに……。うぐぐ……」
「ハハハ、そりゃ悪かったな。ま、デートはまたの機会にしろよ。んで、もちろん俺にも奢ってくれるんだろ、優勝祝いに」
亮太と合流できたのはいいが、せっかくのデートをおしゃかにされ、銀狐は喜ぶべきか悲しむべきか悩んでいる。
だが、俺が気になったのはそんなことではない。
「お、おい、秘密子は……?まさかアイツ……」
「いや、鬼ノ元さんはちゃんと来てくれたよ」
俺の表情から、言いたいことを察したのだろう。
「じゃ、じゃあ……」
「おう、ダメだった」
「……っ!な、なんで……?」
「落ち着けよ、鬼一」
興奮する俺を宥めるように、亮太はゆっくりと言葉を繋ぐ。
「誤解するなよ。鬼ノ元さんは、真っ直ぐに俺と向き合ってくれた。そして、正直に話をしてくれたよ。だから俺は納得してるし、満足もしてるんだよ」
「で、でも……」
「ハハハ。俺が今まで周りの子にしてきたことを、俺自身が味わっただけさ。もちろん後悔はしていないし、恨んでもいない。むしろスッキリしてるんだ。だって、俺は今まで断ってきた子たちに対しても嘘は吐かなかったし、正直に自分の想いを伝えた。今の俺自身の気持ちで、それは間違ってなかったって証明できたんだからな」
「亮太……」
もちろん、俺が言えることは何もない。これは亮太と秘密子、二人の話だ。だけど……。
「それにな、俺自身は諦めてないんだぜ」
「は?」
唐突な亮太の言葉の意味が分からなかった。
「きちんと話をして、彼女の気持ちを聞いて、まだまだ俺にチャンスはあるってことはわかった。だから、何年経とうがチャンスがある限り待ち続けるさ」
「…………。ハハ、お前らしいな」
そうだ、真っ直ぐに俺を見る亮太の瞳は、秘密子に告白する前のままだ。だったらきっと、この先の未来は白紙のままなんだろう。
「なんすか先輩方?うげ……。もしかして、鬼ノ元先輩も合流するんすか?」
「心配しなくても、秘密子は一足先に帰ったよ。つーか、そんな嫌そうな顔すんなよ。ちゃんと話をしてみれば、お前らって案外気が合うと思うぜ」
「うぇ~?無理っすよ。行動より先に頭で考える人って、自分は苦手っす」
「お前は動くより先に、まずは考えろ。そして自分を見つめ直せ!」
「ぶぅ~、酷いっす!」
「夫婦喧嘩はその辺にしとけよ。いい加減腹減ったし、早く食いに行こうぜ」
放っておけば、きりがないと思ったのだろう。ちょうどいいところで亮太のツッコミが入る。だが、若干聞き捨てならない言葉が含まれていた気がするが……。
「ふ、夫婦って……。そそ、そんな、まだ早いっすから!で、でも、ママはいいって言ってくれてるし、パパは鬼一先輩の話すると怒るけど、ママに絞め落としてもらえば……。そそそ、それにまだちょっと怖いけど、ぎ、銀狐は先輩が望むなら、そ、その……、そそそっ、そういう……覚……悟……も……」
「妙な妄想してんじゃねーよ!つーか亮太も、変な冗談言うんじゃねーよ」
まあ、いくら前向きにとらえても、亮太なりに失恋のショックはあるのだろう。俺を弄ることで、少しは気晴らしになるのならいいか。
だが、亮太を見れば、少しばかり妙な表情をしている。
「なんだよ、亮太」
「ん?ああ、別に冗談ってわけでもねーんだけどな。これも俺の計画のうちだ」
「はあ?なんだよ計画って」
「まあ、俺も少しばかり、自分に正直になってみようかと思ってな。とりあえず、自分でチャンスを作ってみようと模索中だ。悪いな、鬼一」
「別に謝られる覚えはねーけど……。まあ、お前が妙なことを考えるとも思えないしな」
だが、亮太はそんな言葉を聞いてニヤリと笑う。
「そうでもないぜ。今はわりと、自分のことで精一杯さ。ま、差し当たりは、優勝祝いにたらふく奢ってもらおうかな。よし、行くぞ稲荷坂。大食いの新記録に挑戦だ!」
「了解っす!!」
「あ!待てお前ら。一人1セットだけだからな!!」
亮太は良い奴だ。それは、大らかで少しばかり天然な性格のせいもあるだろう。
だがコイツの善人さは、多分に自己犠牲から成り立っていたのも確かだ。だからこそ多くの人が亮太に好感を持ち、好意を持つ。だが……。
目の前を走る亮太を見て思う。何を企んでいるのかはわからないが、おそらくコイツは初めて、自分の我がままを貫こうとしているのではないか。それがたとえ、俺の不利益になることであっても。
ただ、俺はそれをどこか嬉しく思っていた。初めて亮太が、何に変えても自分の幸せをつかみ取ろうとしていることに。
だけど……。
結局コイツは、最後の最後でお人好しに戻るんだろう。いつもの亮太らしいと言えば、亮太らしいのだが。
「ま、頑張れよ……」
今の俺にできることは、駆けて行く亮太に、小さく激励の言葉をかけるだけだった……。
☆ ☆ ☆
「その時からずっと、俺は君が好きだった。だから、結婚を前提に付き合ってほしい!」
「……………………。ありがとう。赤神君の気持ちはすごく嬉しいよ。でも……、ごめんなさい。赤神君と付き合うことは………………できません」
「………………。そうか……。鬼ノ元さんはやっぱり、鬼一のこと……」
「鬼一は関係ない……って、誠意を見せてくれた赤神君相手に、誤魔化すのも失礼だね。なにせ……。うふふ、いきなり『結婚を前提に!』だからね」
「そ、そりゃあ、いきなり言われても困るかもしれないけど……。でも、俺は女の子と付き合うんなら、一生懸けて守る覚悟を持つべきだと思ってるから!」
「あはは、赤神君らしいね。そうなると僕……、いや、私も誤魔化すわけにはいかないよね」
「じゃあ、やっぱり鬼一のことが……」
「う~ん……。たぶん……、好き…………だと……思う」
「たぶんって……」
「正直ね、わからないんだ。私たちはずっと一緒に暮らしてきたし、気付いた時には、鬼一は隣にいたんだ。小さな頃から鬼一にくっついて行動してたのだって、好きだからだと思う。もちろん、その頃の気持ちは、恋愛感情なんかじゃないんだろうけどね」
「そりゃあ、ガキの頃はそうだろうけど……」
「だからね、今のこの感情も、その頃の延長線上のものじゃないかっていう思いもあるんだ。鬼一は気心の知れた相手で、兄であり弟でもあり、私が唯一本音を見せられる男の子。でもそれって、普通の家族なら当たり前のことじゃないのかな?」
「それはつまり、鬼一は兄妹みたいなもの……ってこと?」
「かもしれない。でも、だったら鬼一が今の家のお姉さんたちや、稲荷坂さんにベタベタされてる時に感じる、どうしようもないモヤモヤや苛立ちは何なんだろうって。それは女としての嫉妬なのか、大好きな家族を取られて面白くないのか、私の中ではわからないんだ」
「なんつーか…………、こじらせてんなぁ……」
「フフ。だからこそ素の私は、こんなにひねくれてるのさ」
「でも、鬼ノ元さんの気持ちはわかるよ。俺だって『もしかしたら好きかも』なんて、中途半端な気持ちでは付き合えないし」
「あはは、赤神君らしいね。でも、だからこそ気持ちはちゃんと伝わりました。ありがとう。そして…………、ごめんなさい」
「い、いや、いいんだよ!そもそも、俺の一方的な告白なんだし。それに……、ハハッ」
「な、なに?なにが可笑しいの?」
「今の鬼ノ元さんの話を聞いて、希望が持てたってことさ」
「え?」
「つまり、鬼ノ元さんはたぶん鬼一が好きだけど、まだそれが心の底からなのかわからないってことだろ?」
「ま、まあ、そうだけど……」
「てことは、俺にもまだチャンスはあるってことだ。もちろん、二人が険悪になるのを望んでるわけじゃないぜ。でも、努力で俺の方を向かせるチャンスはあるわけだ」
「そっ、それは……。まあ、そうかもしれないけど……」
「それに、フフフ。意地悪な言い方をすれば、鬼一が鬼ノ元さんを選ばない可能性もあるわけだし」
「ぐっ……。そりゃあそうだけど……」
「だいたい、鬼一自身は気付いてないけど、アイツって結構モテるんだぜ。中学の頃と違って、学校でも声をかけてくる女子もいるしな」
「うっ……。そ、それは知ってるけど……」
「元々真面目で誠実なヤツだったけど、中学まではそれまでのイメージとか、堅苦しすぎて怖がられてる部分もあったしな。本人も敢えて他人と関わらないようにしてたし……。でも、アイツ自身は気付いてないだろうけど、今の家の人たちと出会ってから随分と丸く柔らかく、話しかけやすくなったと思うぜ。見る目のある子はちゃんと見てるってことさ」
「そ、それは……、私だって感じてるよ」
「ほかにも俺の見るところ、稲荷坂は間違いないだろうし、鬼一んとこの家族もそうだ。小学生の妹は鉄板だろうし、大学生の姉ちゃんも怪しい。それに大穴としては、あのお袋さんかな?俺でもわかるほどに、やばいフェロモンが出てるしな。まあ、あの金髪ヤンキーはないと思うけど……。鬼ノ元さんはさしずめ、各国で優勝した奴らが集う世界大会に挑むようなもんだな。あ……、もちろん鬼ノ元さんは世界上位クラス……ってか、俺にとっては世界一だよ!」
「お世辞はいらねえよ!ぬぬぬ……、あの女ども……」
「ちょ、ちょっと鬼ノ元さん!?なんか怖ぇよ!」
「ぐっ……。なんでもねえ……じゃなくて、なんでもないよ」
「フッ……、アハハハ!俺もようやく、鬼ノ元さんに素を出してもらえるようになったか。これって結構、前進したんじゃない?俺たちの関係にも、鬼ノ元さんの鬼一に対する想いにも」
「うぐっ……、ま、まあ、そうとも言えるけど……」
「それに、もっと脅威になりそうなライバルを忘れてないかい?」
「は?これ以上誰が……」
「ほら、あの可愛いおチビちゃんどもがいるだろ?」
「はぁ!?だ、だって、珠魅たちはまだ子供……。そ、それにからかってはいるけど、鬼一にそういう趣味はないよ!?」
「それはもちろんわかってるさ。おチビちゃんたちだって、鬼一は優しくて大好きなお兄ちゃんっていうくらいだろう」
「そ、そうだよ。それがどうして……」
「俺が言ってるのは、10年も経った頃の話さ。朴念仁で優しいの鬼一のことだ。誰も選べなくて、その頃まで彼女がいないなんて当たり前に想像できそうだし」
「あ~……。まあ、ありえそうなことだけど……」
「そんな時に、若さ溢れる積極的な女子高生から言い寄られたりしたら?気心の知れた相手だし、いくら鬼一といえども案外コロッといっちゃうかもよ。それに、あの可愛らしさだ。あの子たちが成長したら、恐ろしいくらいの美人になると思うしね」
「ぐっ……。た、確かに、そこは盲点だった……。珠魅の性格を思えば、小学生くらいからでもアタックしそうだし……」
「ハハハ。そこまで心配しなくても、あくまで可能性の話さ。つまりは、何が言いたいかってーと……」
「て言うと……?」
「たとえどんな結果になろうと、俺は鬼ノ元さんを待ってる。だから、焦らずしっかり考えて、自分の気持ちに正直になってほしい」
「赤神君……。うん、ありがとう……」
「さて……。今ならまだ間に合うし、鬼一たちに合流して、失恋を慰めてもらうかな。鬼ノ元さんはどうする?」
「私は先に帰るよ。さすがに今は、鬼一にも会い辛いし」
「わかった。あ……、そうだ、最後に一つ」
「なに?」
「俺ももう少しだけ、自分に正直に生きてみることにするよ」
「うん?」
「要するに、ちょっとだけ鬼一と稲荷坂の、キューピッドみたいなことをやってみようかなって。つまり、恋敵の排除をしてみようかと」
「うん……?……って、ええ!?」
「ハハハ。まあ、ちょっとだけだよ。露骨にやっても、むしろ引かれそうだし」
「あはは……。絶対に鬼一を裏切らないと思ってた赤神君が、まさかそんなことを言い出すなんてね。でも……、それだけこの告白が真剣だったって伝わったよ」
「そう取ってもらえると嬉しいよ。それじゃあ鬼ノ元さん、また学校で」
「うん、またね……」
いつしか日は傾き、辺りは燃えるような朱に染まっていた。
そして、笑顔で別れる二人。一旦は終わりを告げた恋の結末にも関わらず、別れ際の二人の顔はどこまでも爽やかだった……。
ようやくラブコメらしい物語が、一歩進んだというところでしょうか。最後は良いか悪いかはわかりませんが、秘密子と亮太の会話のみで進めてみました。次回からは、最終章前のワンクッションで一息、といったところです。まあ、ワンクッションがちょっぴり長めになってしまったんですが……。




