51 恋のから騒ぎ 合コンラプソディー・イン・ブルー 3
「い……や……、キー……く…………たしゅ……け……」
「はい?呼びました?」
「らか……ら、たしゅ……けて……よぉ……。キー……く……ん」
「どうしました?まだ気分が悪いんですか?」
「ん…………、まだ……、しゅこ……し……。………………。んぇ!?」
聞き覚えのある声に、澄麗は目を開く。
目の前に見えるのは、パソコンのモニターが置かれたテーブル。そして耳に入ってくるのは、流行りのポピュラー音楽。
己の体を見れば、気を失う前のまま、服を脱がされた形跡もない。
目覚めた時に見るのは、ラブホテルの淫靡な内装と汚らしく汗ばんだ裸。そして力尽くで自分をモノにして悦に入る男の下卑た笑い顔と、シーツに付いた血……。そんな想像をしていた澄麗は、その殺風景な景観に少しばかり拍子抜けする。
「大丈夫ですか?気分はどうです?」
その時になって、自分がソファに寝転がっていることに気付く。そして、声のする方に首を向けると……。
「キー……くん!?」
一瞬、自分が夢を見ているのかとも思った。だが、目の前に見えるのは紛れもない鬼一の顔だ。
「どう……して……?」
なぜ自分が先輩の魔の手から助け出され、なおかつ鬼一がここにいるのだろう?さも不思議そうな顔をしていたのか、鬼一はそんな澄麗の疑問に気が付いたのだろう。
「ほら、澄麗さんが迎えに来いって電話してきたじゃないですか。かなり酔ってて危ないって那澄菜が大騒ぎして……、それで俺が駆り出されたってわけです」
「で、でも、よくアタシのいる場所が……」
「ああ、それは……」
鬼一はポケットから、見覚えのある通信端末を取り出す。
「GPSって言うんですか?コレがあれば澄麗さんの場所がわかるからって、那澄菜に持たされたんです。で、澄麗さんを見つけたんですけど……。その……、もしかしたらお邪魔かな……、なんて思いながらも、意識もハッキリしてなかったし、あの人にはとりあえずお帰りいただいたわけでして……。あ、あの……、もしかしてデートの途中だったとか……?ごっ、ご迷惑だったらすみません!なっ、なんでしたら、俺も一緒に謝りに行きますから!」
無言のままの澄麗の反応をどうとらえたのか、鬼一は少しばかり慌てだす。
「す、すみません!あの男の人には、勝手に帰ってもらってしまって……、で、でも、澄麗さん具合悪そうだったし、とりあえずこのネットカフェとやらに運んだ次第で……。その、俺こういう所に入ったことが無いもんですから、店員さんに勧められるままカップルシートとかいうのを選んだんですけど……。マ、マズかったですか?」
鬼一の言葉に、ようやく澄麗は自分がいる場所がどこか気付く。さらには、自分と鬼一の位置があまりに不自然であることにも。
今の澄麗は、鬼一の顔を真下から見上げているのだ。さらには、後頭部に感じるゴツゴツとした感触……。
だが、ゴツゴツとはいってもそれなりの弾力と暖かさを感じる。それはつまり、自分はずっと鬼一の膝枕で眠っていたということだ。
「……っ!」
「危ない!」
妙に気恥ずかしくなった澄麗は、慌てて飛び起きる。だが、まだ酒とおそらくだが盛られたクスリが抜けきっていないのだろう。ふらついた拍子に、再び鬼一に抱えられる。
「いきなり起きちゃ駄目ですよ。まだお酒が抜けてないんだから。顔だってそんなに赤いし」
「そ、そうね……」
確かに、自分の顔がカンカンに火照っているのがわかる。だがこの熱さは、はたして酒のせいなのか……。
「ごめんキーくん。何か飲み物取ってきてくれる?」
「あ、はい。でも、俺慌てて飛び出してきちゃって、その……、実はほとんど金を持ってきてないんです。なのでここの支払いも、澄麗さん頼みというか……」
その言葉に、澄麗は思わず吹き出す。ああ、この子は本当に、遊び歩くことも無駄な金を使うこともせず、真面目に生きてきたんだろう。
「だいじょーぶだって。こーゆーとこはファミレスのドリンクバーと一緒で、飲み物はお代わり自由なんだから。入り口近くにサーバーがあるはずだから。よろしくねん」
「はい、わかりました」
鬼一が出て行った後に、澄麗は部屋の中を見渡す。そこには何か飲み物を持ってきた形跡もなければ、食事を頼んだ様子もない。机の上にあるレシートを見れば、入店してから2時間が過ぎようとしている。
「あの子……」
この状況を見るかぎり、鬼一は入店してからずっと、自分に膝枕をしたまま微動だにせずにいたのだろう。
「まったくあの子ったら……。あ……そうだ……。うげっ……」
意識を失う前のことを思い出した澄麗は、自分の下着を確認する。
「うぐっ……、こ、これはノーカンだから。無理矢理触られ続けたせいで反応しただけだから!興奮して濡れたとかじゃないから!ああ……、これお気に入りだったのに……。アイツの汚い手でいじくられた下着じゃ、気持ち悪くてもう穿けないじゃない」
聞く人など誰もいないのに、自らの分泌液が乾き、シミを作り、カピカピに乾いた下着を前に澄麗は言い訳をする。
「……っと、いけない、とりあえずママに連絡しとかないと……。うげ!?」
母親に連絡しようと携帯端末を取り出した澄麗は、そこにあるメッセージや着歴を見て思わず声を上げた。
そこには、友人からの履歴が数十件残されていたからだ。それを見て、慌てて電話をかける。
「あ!もしもしユッコ?アンタいったい……」
「ちょっと澄麗!!大丈夫なのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!?」
電話口から聞こえてきたのは、怒鳴るような友人の声だった。その勢いに端末を落としそうになった澄麗だったが、慌てて空中でキャッチする。
「ちょ、ちょっとユッコ!?」
「アンタどこにいるのよ!!ま、まさか、まだ神先輩と一緒なんじゃ……!?」
「大丈夫だって。もう先輩とは別れたし、今は迎えに来てくれたキー……、家族とネカフェで休んでるから。それより、いったいどうしたっての?」
「よ……、良かったぁ~~~~~~………………。その……、実はね……」
☆ ☆ ☆
ユッコによれば、その日のコンパは不思議なほどにカップルになる率が高かったのだという。というよりも、全ての男女がペアになり、次々と抜け出していったそうだ。
ユッコとしても神先輩は気になったものの、自分に言い寄ってくる男は優しく、先輩から心変わりさせるには十分な人だったそうだ。
そんなこともあり、ユッコも二次会前にさりげなく抜け出し、彼とのデートを楽しみ次の約束を取り付けようとしたのだが……。
男が豹変したのはその時だった。
実は目立つ外見と違い、ユッコや友人たちは身持ちが固い。彼女も当然、男女の関係になるのは幾度もデートを重ねてから……。そう思っていた。
だが、男たちの目的は違った。彼らはそんな面倒なことを望んではおらず、即物的な性欲の解消……、すなわち、目の前の獲物とヤレさえすればよかったのだ。
ましてや今回の獲物は上玉だ。
今まではその容姿と経歴、財力を活かし数々の女を毒牙にかけてきたのだろう。しかも、時には薬を盛ってまでも……。
しかし、澄麗たちのグループは思った以上に貞操観念が強かったのだ。
既に、目の前の極上の獲物をモノにしたつもりだったのだろう。興奮状態だった男は、調子に乗ってベラベラと喋ってくれた。
そんなことまで聞かされたユッコは、強引に迫ってくる男の股間を思いっきり蹴り上げて別れた後、片っ端から友人に連絡を取った。そして、そこかしこで同じようなことが起きていたのを知ったのだ。
だが、他の友人たちの安全は確認されたものの、一人だけ連絡がつかない人物がいる。そう、それが澄麗だった。
泣きそうになりながらも電話をかけまくり、いっそのこと警察へ駆けこもうかと思ったそうだ。
だが、犯された後ならともかく、今さら警察に連絡したって間に合わないだろうし、男女の恋愛事で片付けられるだけではないのか……。
そしてパニックになっていたところに澄麗からの電話が鳴り、現在に至るというわけである。
「ほんっっっっっっっっとにごめん!!アタシが無理に誘ったばっかりに……」
「だから、もういいってば。マミたちも無事だったんだし」
電話口からは、まるでそのうち本人が飛び出してくるのではないかという勢いで謝罪する声が聞こえてくる。
「んじゃ、今度ショッピングモールに新しく入ったお店のランチ奢ってよ」
「そんなんでいいなら……。はぁ……。でも、高校の頃から澄麗が先輩を避けてた理由、よぉぉぉぉぉっくわかったわ……。やっぱ澄麗って勘がいいってゆーか、人を見る目があるよねぇ……」
「呆っきれた。今頃気付いたの?」
落ちこむ友人に、澄麗は言葉を繋ぐ。そう、これは彼女を元気付けようとかって意味じゃない、本心からの言葉だ。
「人を見る目があるからこそ、ユッコとずっと親友やってんじゃないの。アタシの眼力を舐めるんじゃないわよ。ほら、アンタはアタシの暫定カレシなんでしょ?これからもまだまだ付き合ってもらうからね!」
「す……、ず……、ずぅみぃれぇぇぇぇぇぇ……。うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!ありがどぉぉぉぉぉぉ!!」
電話口で泣き出した友人に、思わず苦笑する。だが、これは偽らざる本心だ。ユッコがいたからこそ、自分の高校生活は楽しかったのだ。そしてきっと、これからの大学生活も……。
と、その時。
「すみません、部屋がわかんなくなって迷っちゃいました。とりあえずウーロン茶とメロンソーダ持ってきたんですけど、澄麗さんどっちがいいです?」
途端に、電話口の鳴き声がピタリと止む。
「ちょ、ちょっと澄麗!今の、神先輩の声じゃないよね!?アンタ、家族と一緒にネカフェにいるって言ったじゃない。今のどう聞いたって男の声だし、華澄さんや那澄菜ちゃんじゃないよね!それに部屋って……、ま、まさかホテル……」
「うげ……、ヤバ……」
「ちょっと澄麗!ヤバってなに!?アンタ、やっぱ彼氏……。ってなに!?暫定カレシ認定されたアタシは、一瞬で元カレに格下げ!?……じゃなくて、どういうことか説明……!」
「あ、あ~、まだ気分悪いな~。ちょっと横にならなきゃ。そんじゃね、ユッコ。ランチよろしくね!」
「ちょっと待ちなさいよ!まだ話は……」
こんな時にまでボケをかましつつ電話口で叫ぶ親友の声を無視し、通話を切る。ついでに電源も切り、物理的な現実逃避をする。
次に電源を入れた時のことを考えると恐ろしいが、それはそれだ。今は忘れることにしよう。
「澄麗さん?何かあったんですか」
そんな澄麗の様子を、鬼一はわけがわからないという感じで見ている。
「にゃははは、なんでもないよ。それよりも、そのメロンソーダちょうだい」
おそらくだが、メロンソーダを残されても鬼一は困るだろう。そう思いグラスを受け取ると、原色の体に悪そうな液体に口をつける。
懐かしくも安っぽい味がしたが、喉はからからに乾いていたのだろう。グラスはあっという間に空になる。
どうせなら、これにアイスクリームでも乗っていればサマになったのだろうが、さすがに鬼一ではそんなことは思いつかないか。というか、この真面目に生きてきた男の子は、クリームソーダなんてものを知っているのだろうか?
「よかったら、これも飲みます?」
「うん。ありがと」
ウーロン茶を飲み干すと、甘ったるかった口の中とともに、幾分頭もスッキリしてきた。そして、ぼんやりとだが意識をなくす前のことを思い出す。
そうだ。あの時ホテルの入り口の明かりが、何かに遮られるように暗くなったんだ。まるで、目の前が妖怪『塗り壁』にふさがれたように……。
もちろん本当にそんなものが現れたはずはない。いや、鬼一たちが存在する以上断言はできないが……。
そう、あれは塗り壁のように大きな人物だった。そして、鬼のような恐ろしい顔で先輩を追い払ったのだ。
恐ろしい?いや、そうじゃない。その時の自分は、その姿をとても頼もしいと感じたのだ。夢と現実とがごっちゃになりながらも、それだけは間違いない。
そう、自分を助けたのは……。
澄麗は、自分の横に座る鬼一を見る。大きな体を縮こませ、なぜか二人掛けのソファの一番端、押せば転げ落ちてしまうのではないかという所に座っている。
よく見れば緊張しているのだろう。体を固くして背中を丸め、微動だにしない。
そんな鬼一を見ていると、自らの緊張も和らいでいく。そして、同時にムクムクと悪戯心も沸き起こってくる。
「ん……。まだ少し気分が悪いかも」
「だ、大丈夫ですか?とりあえずもっと飲み物を……」
慌てて部屋の外に出ようとする鬼一を捕まえる。
「う~ん。とりあえず、もう少し横になってた方がいいにゃ~。ほらキーくん、さっきのやって」
「はい?さっきのって……。あ……!」
鬼一は、先ほどまで自分が何をしていたかに気付いたのだろう。顔を真っ赤にする。
「ほら、早くぅ~。ひ・ざ・ま・く・らぁ。ああ……、気分が……」
「……っ!わ、わかりましたよ」
鬼一の太ももは、ゴツゴツとしながらも熱い。だが、それは先ほどまでの不快な男の感触とは違う、妙に安心できるものだ。
そして澄麗は思う。こんな目には遭ってしまったが、お酒を飲んでいてよかったと。なぜなら、鬼一と同じく今の澄麗の顔も真っ赤だったからだ。これが素面であったなら、言い訳のしようがない。
「ねぇ、キーくんがアタシの居場所を見つけたのって、やっぱ愛の成せる業なのかにゃあ?」
「んなわけないでしょ。那澄菜の端末のGPSって言ったじゃないですか」
「え~、つまんな~い。そこは嘘でも、愛の力って言わなきゃ」
鬼一の正直な言葉も、なぜだかちょっぴり残念に感じる。
それにしても……だ。あの那澄菜が他人に、まして男の子に自分の携帯端末を渡すなんて……。
もちろん、それだけ自分を心配してくれてのことだろう。
だが、同時にそれだけ鬼一のことを信頼し始めているのだろう。本来なら、他人を迎えに来させるより自分が真っ先に飛び出してくるはずの子だ。
「ふ~ん。なるほどねぇ……」
「え、なんですか?」
「べぇっつにぃ~。ねね、それよりもさ」
なぜか澄麗は、妹に対するもやもやとしたものを感じていた。その腹いせということではないだろうが、何かを思いついたのだろう。澄麗の口元がニューっと吊り上がる。だが、本人はそのことに気付いてはいない。
「那澄菜の端末の中身、気にならない?」
「中身?」
鬼一は不思議そうな顔をする。
「だって、JKの端末だよ。男からの愛のメッセージが来てたりだとか、エッチな自撮りがあったりとか……。もしかしたら、キーくんの隠し撮り写真がギッシリ入ってるかもしれないよ!」
「……は!?い、いや、そもそも那澄菜に限って、男からのメッセージとか……。そ、それになんですか?俺の隠し撮り写真って」
「にゃははは。キーくんを突っついてもボロがでないってことは、まだまだそーゆー関係ではないか。さて、それじゃあそろそろ中身を……」
「ダッ、ダメですって。これは渡しませんから!そんなことしたら、那澄菜に殺されますよ!?」
「ちぇ~っ。ちょっとくらいいいじゃん。JK1だよJK1。一部マニア垂涎のJS美澄には劣るかもしれないけど、市場価値でいったらチョ~上位にくるんだからね。キーくんだって知ってるでしょ?」
「しっ、知りませんよそんな価値!」
澄麗とて、元より鬼一をからかってみただけだ。本当に妹のプライベートを覗き見るような、無粋な真似をする気はない。
「というか澄麗さん、もう元気になってますよね?だったら、早めに帰った方がいいんじゃないですか?」
「え~!まだ気分悪ぅ~い」
「いやいや、完璧に嘘ですよね?ほら、いい加減帰りますよ」
とは言うものの、鬼一は澄麗を無理矢理起こすような真似はしない。その優しさがわかっているからこそ、澄麗は鬼一の膝の上でゴロゴロと頭を動かす。
「んふふ~。でも、せっかくキーくんがお迎えに来てくれたんだし、お礼しなくっちゃね。あ!せっかくだし、ラムちゃんの全巻読破でもしてく?」
「いや、いいですよ。どんなキャラクターかはわかりましたし、おかげで酷い目に遭いましたけど……。というか、お礼もいらないですよ。ここの支払いもお願いするつもりですから」
「んも~、それじゃあアタシの気が済まないじゃない。あ、そうだ!せっかくだから、さっきアタシが連れ込まれそうになった所に連れてってあげよっか?」
「はい?さっきって…………。っ!?」
そこが何を意味する所なのか気付いたであろう鬼一は、さらに真っ赤になる。
「いっ、いりませんよ!ほ、ほら、早く起きてください。帰りますよ!」
妙に焦った様子で照れる鬼一を見ていると、なぜかどうしようもなく楽しくなってくる。澄麗はさらにじゃれるように、鬼一の膝の上でゴロゴロと頭を動かす。だが、目いっぱい鬼一の方に顔を近づけた時……。
「……え!?」
澄麗の頬に触れたのは、鬼一のズボン越しにでもわかる筋肉とは違う感触。妙に盛り上がった部分のそれはなんと言うか、あるはずのないところに固い棒が突っ立っているような、もう一本の足が生えているかのような……。
そしてそこからは、野生の本能とでも言うのだろうか。どうしようもないくらいに強烈な、男の気配が発せられている。さらに『ソレ』は、ズボン越しに浮かび上がる形を見る限り、澄麗の手首くらいの太さはあるのではないだろうか……。
慌てて鬼一の顔を見れば、焦ったように顔を逸らす。そして澄麗は、先ほど急いで自分を起こそうとしていた鬼一の態度の意味を知る。
「あ……、あ~。お、お酒も抜けてきたみたいだし、そろそろ帰ろっか」
「そ、そうっすね。み、みんなも心配してるでしょうし……」
「あ、あは、あははは……」
「ハ……、ハハハハ……」
ズボン越しにではあったが、初めて触れた感触は熱く、煮えたぎる鉄棒のようであった。
もしも鬼一に助けられなかったら、今頃はあんなモノが自分のナカに……?
いや、自分だって経験があるわけじゃないし、男の子は人によって色々と違うとも聞く。
そもそも、これだけ進んだ世の中なのだ。さすがに実物はないが、澄麗だって画面越しに『ソレ』がどんなモノかくらい見たことがある。
もちろん、あくまで参考程度だし、何本ものソレを見たわけじゃない。でも、その中でもあんな大きさのモノは見たことがない。
それにあの優男が、鬼一ほどのモノを持っているとは思えない。
もしかしたら、鬼一のモノはとてつもなく大きいんじゃ……。
頬に残る感触を思い出すと、澄麗の全身が熱くなる。アレこそまさに、鬼の金棒ってところか……。
いやいや、だれがうまいことを思いつけと言った。
しかし、なにげにからかったり誘ったりしていたが、もしも鬼一が本気になっていたら今頃…………。
いやいやいやいや!それこそ考えすぎだ。
そもそも鬼一は超が付くほど真面目で、無理矢理女の子に手を出せるような子じゃなくて……。
でも、男の子なんだし、本気で色々と溜まってたりしたら……。
それにうろ覚えだがあの時、あんな男に初めてを奪われるくらいなら、鬼一にって思ったような気も……。
ちっ、違う!そうじゃなくて、いつものだって冗談で……。いっ、いや、でも、でも……、でも…………。
ああ、そうか、そうなんだ。アタシもまだ……。
微妙に気まずい帰りの道中で、澄麗は思う。どんなに大人びた振る舞いをしてみても、自分もまだまだ子供なんだと……。
大人な(ぶってる)お姉さんの、ちょっとお子様な部分です。次回、物語もそろそろ終盤(予定)を迎えるにも関わらず、何を思ったか新キャラの登場です。年上未亡人、セクシーお姉ちゃん、同級生、幼馴染、年下少女、幼女……。様々なキャラクターが登場した中で、残る定番と言えば……。そう、アレですね?いや、そんなたいそうなことじゃないんですけど、どんなキャラクターが登場するかは次回でご確認ください。




