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陽葵


 次の日の放課後、俺は屋上に呼び出されていた。

 呼び出し人は陽葵。

 何なんだ。

 俺が陽葵と出会ってから13年でこんなこと初めてだ。

 そもそもクラスで空気の俺が女の子に二日連続で呼び出されること自体信じられないことだ。


 屋上に行くと陽葵が待っていた。


「あ、幸樹」

「陽葵、どうしたんだ?」 


 陽葵は誰とでも仲良く、優しい人間だ。

 顔も整っているため、男子からの人気も高いらしい。

 小さい頃から見ている俺からしたら、そんな目で見ることはないが。


「え、えっとね。夕日綺麗だね」

「そ、そうだな?」


「えーと、風が気持ちいいね」

「そ、そうだな?」


「み、みんな部活してるね」

「そうだな?」


 何の話だ?話のつながりがわからない。

 陽葵は俺の顔を見てこない。

 だが、夕日に当てられてか、陽葵の頬が染まっていることはわかる。

 本当に何お話なんだ?


「陽葵、何の話だ?」


 じれったくなって聞く。


「えっとね−−−」


 本当に今日の陽葵はどうしたんだ。

 

 陽葵が一歩近寄ってきて言った。


「−ー−昨日、先輩と何があったの⁈」


 何だそんなことか。

 でも、昨日のことをどう説明したらいいんだ。

 "先輩の席に座ったら彼女ができた"とでもいえばいいのか?

 意味わからないだろ?

 それでもまんま言うしかないのか。


「先輩と付き合った・・・」

「・・・・・・え?・・・・・えぇぇぇぇっ!」


 一拍置いて陽葵が言う。


「・・・ほんと?」

「ほんとだけど」


 何なんだ。

 耳元でこんなに大声で。


「どうしたんだ?」

「どうもしないわよ!」


 何で起こるんだよ!

 意味わからない。


「じゃあね!」


 そう言うと陽葵は階段を降りていった。


 ・・・・本当に何だったんだ。






 



 


読んでいただきありがとうございます!

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