告白
今度こそ自分の所属する教室に入る。
本物の自分の机には何も書かれていなかった。
よかった。あれが本当だったら、やっぱりツライ。
この日の授業はいつも通り何もなく終わった。
そして驚くのはこれからだ。
いつも通り、誰よりも早く玄関まできて、下駄箱を開ける。
そこには、
『中原幸樹くん。放課後、校舎裏に来てください。待っています。』
そう書かれたが入れられていた。
「・・・へ?」
なんだこれは。
ぼっちを極める俺の名前を知っている人がいるなんて・・・。
それに、校舎裏に来てください。
もしかして告白か?。
俺はそんな甘い考えを持って校舎裏に向かうのだった。
******************************
校舎裏には一人の美少女が待っていた。
彼女は確か、朝にあった先輩だよな。
「君は中原幸樹くんでいいのよね?」
そう聞いてくる先輩。
「はい・・・先輩は?」
「私は、瀬戸日菜」
彼女の名前は瀬戸日菜というらしい。
先輩は佇まいを正し、頬をほんのりと赤く染めてこう言って来た。
「早速だけど、中原くん。私と付き合ってください!」
「え?」
「へ?えぇぇぇ!」
今聞こえたのは俺の声じゃない。
後ろから聞こえて来たものだ。
「誰⁉︎」
先輩が俺の後ろの人物に向かって声をあげた。
「あ」
背中越しにそう聞こえた。女子の声だ。
俺も後ろを見る。
「陽葵?」
そこに立っていたのは、幼馴染の戸上陽葵だった。
「え、あ、用事思い出した!じゃあね」
そう言って走っていく陽葵の顔は赤く染まっていた。
なんだったんだ?
「か、彼女は君の知り合いか?」
そう聞いてくる先輩。
「幼馴染?です」
「そ、そうか」
「それで、さっきの話なんだが・・・」
今の先輩は恋する乙女の顔だ。
「え、あ。あのほんとに言っているんですか?」
信じられない。
ぼっちの俺を好きと言ってくれる人が出て来た?
うれしい。嬉しすぎる。
質問の答はもちろん。
「よろしくお願いします」
俺はそう言って前に出された先輩の手を取った。
だってそうじゃん!
こんなに美人な先輩に告白されて断るわけないじゃん!
いまだに信じられない。
その日、 俺の鼓動は家に帰っても鳴り止まなかった。
読んでいただきありがとうございます!