遺産相続
初投稿です
学生なので投稿頻度少ないと思いますがよろしくお願いします
「・・・全て素晴らしい」
本棚から溢れるほどの本を目の前にして先に口を開いたのは、俺ではなく、アイツだ。
「まあ、此処の本の持ち主だった人、偏屈な人だったんだろ?」
「ああ、らしいな。生憎会った事は無いけれど」
「それで、どうする?」
「やはり、此処は私が貰い受けよう!」
そう言うと思った。
「なら今度僕が必要な書類を持ってくるから」
まさか、あいつの・・・アキの叔父にあたる人がこんな大量の本を所有していたとは。
羨ましい限りだ。
中にはアキの叔父が自分で執筆したものと思われる本もあった。
それ等を含めて、全て推理小説だというのだから驚きだ。
そんなアキの叔父だが、この間事故で亡くなったそうだ。
それで彼が所有していたこの事務所?のような場所と、おまけに大量の本が遺産として残ったのだ。逆にそれ以外に遺産は無いらしい。
彼は若い頃、父親と、つまりアキの祖父と大喧嘩して勘当されていたらしく、アキも自分に叔父がいることを彼が亡くなるまで知らなかった。
しかし、これだけの量の本。親戚達も売ろうとしていたのだが、アキが説得してここを相続することになったのだ。
(...いや、強迫というべきか?)
それで今、埃を被った本や机を掃除しているのだが・・・
アキが小説を読み始めてしまった。
全く、いつまでかかることやら。
次回:「友人」の「相談」