第1話 転生後
俺はあの後目が覚めると、セレネ・フィール・ザイディアスという名前で転生した。両親は父のロイズ・フィール・ザイディアスと、母のスフィア・フィール・ザイディアスっていう名前で、名前からわかるようにテンプレ通り両親は貴族ってことだ。
この家は辺境伯家。そこはすぐに死ぬ可能性が少なくてかなりラッキーだな。
そんな貴族転生だけど気に入らないことだってある。
名前で気付いている人もいるかもしれないがあえて言っておこう。それは、この体が女性ってことだ。
気付いた理由は、俺が生まれて少しして音がしっかりと拾えるようになったころ母のスフィアの腕の中でうたた寝を決めていると、ドタドタと激しい音の後、急いだ様子で若い男性・・・当時の父がこう言ったのだ
『私の娘は・・・セレネは?』と
私の容姿はサラサラで綺麗な白銀の髪に夜を彷彿とさせるアメジストの様な紫眼で、鼻も完璧な形で、桜色の綺麗な唇、一種の芸術を思わせる各パーツをそれまた完璧に黄金比に合わせて配置してある。
美少女だった・・・ほんまどうしよ・・・
。
しかもこの家の先祖は今では大賢者と呼ばれるジークフリード・フィール・ザイディアスらしい。だからかなり権力もあるらしい。
ーーートテトテトテッーーー
「おねーさまー」
「うわっ!どうしたのアンリ」
セミロングの綺麗な金髪、宝石みたいな碧眼の活発系の美少女・・美幼女はアンリ。
アンリは、私が生まれて1年後に父様ともう一人の奥さんのセリカ・フィール・ザイディアス(セリカ叔母様)の間に生まれた私の妹ですっ。
セリカ叔母様の家は、魔法系の伯爵家で母様と父様が冒険者としてやんちゃしてた頃、途中一緒にパーティーを組んでたらしい。
そしてお父様が貴族として領地を継ぐ時お母様と一緒にお父様と結婚したらしい。
おうおう、お父様なかなかやるやん。
そうやって考えていたら急に心臓が締め付けられるような痛みを感じた
「ウッ」
私は痛みに堪えきれず膝をつき、胸を抑える
「おねーさま!?大丈夫ッ!?」
アンリはあたふたしながら私に問いかける。
私が答える前にアンリはパニックになりながらもメイドや執事に状況を伝えメイドが大慌てで私をベッドに運ぶ。
俺は3歳の頃、外でアンリと遊んでいたら急に心臓が締め付けられる痛みに襲われ倒れた。
その時のアンリは、確かパニックになって泣き出しちゃってたなー
そのあと、アンリの泣き声でなにかと、思ったメイド達が私を見つけて大慌てで看護してた。
専門の人に見て貰うとやはり原因は魔力が多すぎる事と近親交配による劣勢遺伝が合わさりこうなったらしい。
そこからお父様達は、かなり過保護になりアンリは動き回れるようになっても庭の中でもあまり遠くにいったりさせて貰えず、基本的に屋敷周辺、メイドの監視付き。
私は庭にもまともに出させて貰えず、庭に出れても日傘常備の日陰以外禁止にされた。
あらからは時々この痛みがくる・・・そして段々私はこの暴走する魔力によって弱っていった。
お父様達は必死で俺が助かる方法を調べ、魔力の暴走に体が持たないなら魔力制御を覚えさせて魔力を制御して貰えば体は大丈夫だと気づく・・・
しかし魔力制御は習得難易度がかなり高く大人の魔法主体の人達でさえまともに出来ない人の方が多い・・・
だけどどんどん弱っていく娘を見て何もしない事が出来ず、この方法以外で見つからなかったらを考えて、他の方法が見つかるまで教える事を決意し、娘が習得することに賭けた。
結果は他の方法は見つからなかったが、セレネは見事魔力制御が少し出来るようになり、体の衰弱化は止まった。
俺はこの事をアンリに伝えた。するとアンリは喜び今まで一緒に遊べ無かったからと俺を外へ連れ出し俺達は外で一緒に遊んだ
・・・・・・魔力制御は完全でなく、病気は劣勢遺伝からも来ている事を忘れ完全に克服したと思って・・・・・
20分位で私は急に胸が引き裂かれるような痛みが走り、フラつき、倒れそうになった
ーーーーーーフラッ
「お姉さま!?」
私は倒れそうになった所をアンリに支えて貰う。
そのあとはアンリはパニックで大泣きしメイド達は私を急いでベッドへつれて行きメイド達の手厚い看護の元数日で完治した。
そこで私達は魔力制御が未熟だと激しい運動など体力を急激に奪われるような事をするとさっきのようになり、あまり長くは持たない事を知った。
でも魔力制御が上達していくうちに段々動き回れる時間が伸びる事に気付き私は必死に魔力制御を特訓した。
アンリに大丈夫と言いながらあんなことになった事への罪悪感、私と、アンリに対してお父様だけでなくメイドを含め全員が過剰とも言えるほどに過保護になってしまいかなり息苦しい、思いをさせてしまったこと。
そこから私はもう二度とアンリにこんな思いをさせたくないから本当に必死に努力をした
お陰で今は一時間なら激しく動いても大丈夫になった。
でもアンリは、自分の行動で私が倒れたと思っていたらしく罪悪感からか一切甘えず、ずっと私の事を寂しそうに見ていた
・・・私もアンリが甘えて来ずかなり寂しい・・・
だから私はアンリはの誤解をとき、アンリを抱きしめ
ーーーーもう大丈夫だから、また一緒に遊ぼうねっ!ーーー
と耳元に囁いた。
「グスッ・・・・ウゥワアァァーンッ!!」
すると、アンリは泣き出ながら寂しかった、居なくなるんじゃと怖かった、と今までの不安や寂しさを吐き出した。
それからは、アンリは、以前より甘えてくれるようになった。
「もしかして具合でも悪いのですか?」
でも、以前ドッキリで苦しむふりをした時、アンリはガチで泣き出し、挙げ句に、泣きながらで全て飲ませてきた・・・・・
「い、いや違うよ~考え事してただけ。」
「そうですか。お父様が執務室に連れて来いと仰ってました」
「わかったわ、今から行きます」
そう言ってお父様の所へ行こうとしたら
「おねーさま、この要件が終わったら私の部屋に来てください。大事なお話しが有ります」
そう言ったアンリは、やけに大人びていて、何かを決意した表情をしていた。
「わかった」
私はそう言って足早にお父様のもとへ向かった。
はい、次は多分近々出します
*2/8文章を変更しました、少し内容変わります。大変申し訳ございません